2015年10月26日

霜降の頃、十三夜。ジーンというのは指先がしびれる音でした

七月の満月の光は、『一千一秒物語』で書かれているように黄色く感じたけれど、昨日の月はしろがねでした。
『一千一秒物語』の初版は戦前に出版され、作者の稲垣足穂は1977年没で、没後50年まだ経っていないので、著作権が存続しています。この著作の使用の許可はいただいてあります。著作権継承者の稲垣さんに、特につてもなく、「てづくりのまめほん」という怪しい響きで電話でお話をするのは怖かったです。私を知っている方は多いにせよ、一歩、コミュニティの輪から出れば誰も知る人のないというのは、どの分野でもきっとそうでしょう。お願いのために豆本をお送りしたら、先方から即電話があり、想像をはるかに超えたもので、とても気に入っていただいたことがわかりました。存分におやり下さいとも言っていただきました。お電話を受けながら、こちらも感動して、指先がしびれるほどジーンとしました。人を喜ばせるのが私の仕事だと思ってきましたが、自分のデザインと製本のスキルで、はるか遠く感じていた著作者の継承者の方を喜ばせることもできたのでした。手の仕事と、手で作ったものは、また新しい地平を私に見せてくれました。作っていこうと思いました。
活版豆本
活版豆本

活版豆本

『一千一秒物語』から一編を収録した革表紙の豆本「赤い鳥5号」を、製本しています。予約者のぶんを先行して制作し、一般販売は11月下旬頃を予定しています。
また、いろいろ品切れになっていた本を、東京堂書店に納品しました。アリス通常版、赤い鳥1号、レゾネ革バンド、『凪のゆくえ』未綴じ、『寒中見舞』が品切れになっていましたが、納品しました。新作超短編集『月夜のまひる』も東京堂に本棚ごと入れました。他に、品ぞろえとしては『第一の手紙』『第二の手紙』『第三の手紙』『Spiral』『魔法日記』、赤い鳥2号、3号、4号、レゾネ未綴じ、切手ミニカード、和綴じノート、揃っています。
世田谷で開催中の『箱の中の豆本図書館』もどうぞよろしく。
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