2011年9月23日

新作豆本「雲捕獲記録」制作風景と、「まめまつり」

 昨日の18時間作業の写真と、翌日のまめまつりのようす。長い記事になります。
手作り豆本の制作風景
 特装用の箱づくり。ボール紙に、箱切り出しの線引き。切り出します。
手作り豆本の制作風景
 表裏に貼る和紙も切り出します。気がつくとこの時点で2時間ぐらいたっています。
手作り豆本の制作風景
 貼り込みます。ここまで丁寧にと思いながらも角を45度折。
手作り豆本の制作風景
 その上側に、銀の友禅和紙を貼ります。はんこを押します。これが底です。
手作り豆本の制作風景
 こちらが蓋です。丸を切り抜きます
手作り豆本の制作風景
 空模様な染め和紙を底面にだけ貼ります。
手作り豆本の制作風景
 この状態で、染め和紙も丸く切り抜きます。縁を16等分して、貼ります。
手作り豆本の制作風景
 その上から、薄ピンクの極薄の和紙を貼ります。
手作り豆本の制作風景
 和紙でリブを貼りこんで、立てます。染め和紙が薄いので、こうしないと強度が出ず、四角く形作れないです(失敗から学んだ自己流)。箱づくりこそみようみまねなので、この本が売れたら、ルリユールとカルトナージュを習いに行きたいと思いながら作ります。
手作り豆本の制作風景
 染め和紙を箱の形に切り出して、貼ります。
手作り豆本の制作風景
 試作品の箱の数々。(さっそく、プスッとやってしまった箱も。)
手作り豆本の制作風景
 特装のこの箱を包む、風呂敷です。防虫シートをカットします。編み物担当の方が見つけてくれた、天然の青森ひば油によるナチュラルなシート。化学物質は使用していません。
手作り豆本の制作風景
 ここにも消しゴムはんこを押します。うさぎの足跡を散らします
手作り豆本の制作風景
 パターンはいろいろ。どれが当たるかは、開いてみてのお楽しみということで。
手作り豆本の制作風景
 箱がそろそろ乾いた頃。箱の表に、遊び紙と同じ印刷を貼ります。英文タイトルを雲の形に切り抜いて貼ります。
手作り豆本の制作風景
 だいたい、角がはがれてくるので、一つずつ全部の角をめくり上げてボンドを入れる。
手作り豆本の制作風景
 一つずつ違う手作りの箱の風情になりました。この時点でざっと8時間経過しています。
手作り豆本の制作風景
 前日に表紙つけ作業をした本がそろそろ乾いているだろう。タイトルを準備します。タイトルは雁皮紙に活版印刷。紙が柔らかくて、印刷に苦労をかけてしまったようです。印刷をするときに、一度、紙を縦にする工程があるらしいです。海外ではGanpi Paperで通じる有名な和紙なので、ぜひこの本にも使ってみたかった。『籠込鳥』でも、版画は雁皮紙に刷られています。そのため非常に薄くてページと一体化し、貼りこんだ厚みが出ていません。
手作り豆本の制作風景
 著者検印も準備します。
手作り豆本の制作風景
 薄いガンピ、糊をつけるといっそうふにゃふにゃになって、ピンセットの出番。
手作り豆本の制作風景
 さらに6時間ぐらい経過。これだけ貼れました。
手作り豆本の制作風景
 翌朝、乾いた本に初めてモヘアジャケットをかけることができました。サイズぴったり。このようにして、「第2回まめまつり」に出品しました。「豆」本でありながら、なぜか上のような壮絶な作業になっていたため、至らぬ点が多々あったかと思いますが、来ていただいて本当にありがとうございました。皆様とお話しできて、うれしかったです。他のブースもどんどん見て回りたかったのですが、体力的に座っているだけでかなり精一杯、人も途絶えることなく来ていただいて、特装6冊、上製4冊、T-DOLL2冊が売れました。5月の豆本ワークショップチラシ、活版印刷パンフ、言壺ペーパー完配布しました。本当にありがとうございました。今後は、通販、そして委託で都内と関西進出を目指しています。
手作り豆本の制作風景
 帰り道、桜をバックに撮りましたが露出ちょっと失敗して電池切れ。明日また撮りに行くつもり。

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Miniature Book Societyの最高賞受賞『籠込鳥』の次作 2007年4月8日発売新刊豆本 「雲捕獲記録 Dancing on the Cloud」

著、装丁、製本 赤井都
印刷 海岸印刷
発行 言壺 2007年4月
ニット制作 濱田映子(ににむぎ)
奥付レイアウト、題字デザイン 海岸印刷
【ストーリー】

子どもの頃、持っていたウサギのぬいぐるみ。 それはいつしか捨てられてしまったけれど、 何年もたってから、「私」は雲の中でウサギがはねているのを見る。 「私」はウサギの雲を捕まえようとする。 数文ずつの超短編6章で構成し、和文と英文抄訳を右開きの本にレイアウト。

【造本】
表紙も本文紙も和紙。
プリンタには通らない繊細な和紙を、活版印刷で印字することにより、本として仕立てることを可能にしました。
活版印刷は、個人宅で卓上タイプの中古機を動かしているプライベート・プレス(海岸印刷)が行いました。
赤井との出会いは、昨年11月の文学フリマ。出品されていたカードサイズの活版印刷歌集を見て、赤井が印刷を依頼。
この本では、ページをめくっていくにつれ、黒い文字が銀色に次第に変化していきます。赤井が書いた雲のウサギのストーリーの、現実的なシーンから幻想的なシーンへの移行を、インク色の変化で表現。
また特装には、雲をイメージしたモヘアジャケットがかかっています。これは編み物の得意な女性(濱田)が、本に合わせて手編みしました。 赤井との出会いは、渋谷のレンタルボックス「月箱」。出品されていたふわふわのマフラーを赤井が見て、これを本のジャケットにとひらめきました。
ジャケットの厚みで小口が開かないよう・本を開いたときにジャケットが外れないよう・ほお擦りしたくなる愛玩できるボリュームを出すなど、本好きの赤井からの要求を、編み物好きの濱田が叶えました。 このように、雲のうさぎの柔らかなイメージを、製本、印刷、ジャケット編み、三人の20~30代の女性が協力して作り上げました。
ふわふわ甘い大人の童話豆本です。

◆特装本(限定26部・アルファベット入)
三椏和紙表紙・丸背上製・モヘアジャケット+和紙貼函+特製防虫布風呂敷包み
 頒価5800円(税込、送料別途)

◆上製本(限定100部・あいうえお入)
三椏和紙表紙・角背上製 
頒価3200円(税込、送料別途)

【関連リンク】
赤井制作状況ブログ
http://miyako.cool.ne.jp/blog/blosxom.cgi
言壺
http://miyako.cool.ne.jp/kototsubo/
海岸印刷
http://www.yaginoki.com/kaigan/
ににむぎ
http://ninimugi.com/
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