2017年1月21日

大寒の頃

 この2週間、あちこちへ出かけていました。猫がなわばりをぐるっと巡回して、さらにちょい遠くへ足を延ばすみたいに。出没箇所は東向島珈琲店、Le Petit Parisien、ex.、朗文堂、冬青、リトルハイ、みずのそらなどです。教室をしたり、箔押しレッスンで教わったり、香港からのお客様と世界堂、などもありました。脳が活性化している時は、時間を長く感じるのですって。この2週間は、長かったですね。え、まだ1月なの? というくらいに。

 ほしおさなえさんの『活版印刷 三日月堂』は、すごく売れているそうですが、以前から活版印刷のプロたちの間で「作者はほんとに活版のことをよく知っていて書いているよ~、どうしてこんなに書けるのかな~」と話題でした。私は文学フリマで作者さんから活版カードを買ったこともあります。12月、中野での個展に、NHKテレビを見て、活版の紹介に惹かれて来た方がいらっしゃいました。この本を読んだけれど、小説なので当然説明は文章だけでなされているので、活版の実物がイメージできなくてと、展示を見て行かれました。その時に、もし私が既にこの本を読んでいれば、「あのシーンは……」ともう少しお話できたかもしれませんが、遅ればせ、今、読んでいます。中央線で、阿佐ヶ谷から西荻窪まで、涙がこぼれないように上を向いたきり。印刷物がどんなふうに仕上がったか、その印刷への職人的苦労がどんなにあったか、あまりにも私はリアルに想像できてしまうために、「印刷ができました」というシーンで、毎度毎度、涙腺決壊しそうになっています。変な人です。2月にシリーズ第二弾が出るそうです。

 製本をしていると、本はいろいろな作業の対象物なので、どこに何の手入れが必要かといった視点でつい見ていました。単に物として本のことをじっくりと見てはいなかったなと気づいて、古本のスケッチをしていました。古い本は、あちこちが擦れていて、その傷はきっと一つ一つ別の時、別の場所、別の手の中でできてきたものだと想像すると、長い時間、いろいろな空間を旅してきた石のよう。絵はいつもの0.5mmの黒いペンで描きました。原画そのままでもいいけれど、そのうち、スキャンして縮小して凸版にして、何かにしてみようかな。

 さて東京堂書店神保町店と、有隣堂厚木店で、23日から豆本がちゃぽんが始まります。今回はなんと、香港からの豆本アーティストの来日参加もあります! 前回来日の際、豆本がちゃぽんをして、はまってしまって、香港に帰ってから友人を集めて豆本がちゃぽんを始めたティアナさんの豆本も入ります。一回100円で、何が出てくるかはお楽しみ。今回の豆本がちゃぽんは国際色です。香港の豆本がちゃぽんは4周年を迎えて、記念冊子を作ったそうです。一文、寄稿しました。豆本手帳も出ましたね。

 少しずつ手を動かしています。ご予約を各方面からいただいている『雨ニモ負ケズ』二冊組ブックシュー入りは、ここまで来ました。綴じ終わり、天染めが終わり、しおりひもと花布がつきました。このあと、ボール紙をカッターと定規で裁断する、ちょっと力と集中力の要る作業に入ります。2月の完成を目指してきましたが、この後の作業工程はまだまだ長い……。集中します。
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