2018年3月1日

小さな蔵書票ブックケースと、大きな本の修理

文庫本に貼る小さなサイズの蔵書票のご注文をいただき、函つきで作ってみたりしていました。活版印刷や函づくりって、楽しいものです。綴じがあると本だけれど、綴じがなくても楽しめてしまいます。この函は天地11cmで、蓋はマグネットで吸着します。

さて、大きな本の修理と保存を一年ぶりに、曳舟で行いました。一人だと大変なので、今回はボランティアを募って、5人+見学の方、記録係さんなどにご参加いただきました。
こんなふうに、背の外側や内側が切れてしまっていたりしていました。製本テープで持ち主ご本人が応急処置を施されたものは、逆側の見返しが切れてしまったという、修理が修理を呼ぶパターンになってしまっていたので、製本テープは取り去り、和紙を入れました。背がぱかっと外れたものには、クータを入れてから、背を戻して接着しました。





19世紀のハードカバーの本の多くは、180度開くと、表紙や見返しが切れてしまうという構造をしています。180度開いても大丈夫な本が作れるようになったのは後世のことです。本のオーナーの意向としては、できるだけ当時の装丁を残したいということがあり、180度開かなくても安全に読書できるように、この一年間で、書見台とリーブルシュポールを書斎に備えました。19世紀的不便さも楽しみながら、読書します。ただ、どうしても、外側に和紙が見えてしまう修理になったものもありました。そこで、二週間後にまた集まり、修理の糊づけの結果などを確認し、和紙を染めました。



和紙のクータも、見事に入りました。これらすべて、参加者さんたちの手仕事です。私は指示しただけです。見学のつもりだった方かもしれないけれど、手すきには仕事を申し付けて、書庫の外で、「べっぴんさんクロス」で本の小口などを拭いてもらいました。けっこうクロスを黒くする本もあって、びっくり。埃は酸性物質で本を傷めるので、除去すると良いです。土曜日を二回使った作業で、壊れかけた9冊の本が修理されて読める形になり、二段の本棚の本が、ピカピカに拭き上げられました。今年はひとまず、良かった良かった。でも本棚にはまだたくさん他の本も入っている。また来年!


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