2011年9月23日

そのまま豆本制作秘話8「フランス装のティーバッグ型豆本」

*この豆本を作るワークショップ *9/25(土)長崎メトロ書店 *9/26(日)福岡「こまかと屋」→詳細・お申し込みは「ふくまめブログ」へ *10/11(月祝)東京古書会館・豆本カーニバル会場内→詳細・お申し込みは「言壺」へ

 こんな本があったらいいな、と思いました。ティーバッグの中から出てくる小さな本。
簡単に本格的な豆本ができる「そのまま豆本」フランス装ティーバッグ型
簡単に本格的な豆本ができる「そのまま豆本」フランス装ティーバッグ型
 フランス装の表紙は折り返しが多く、ふかっとした手触りに仕上がります。何かの弾みに、紅茶が豆本に変わってしまった錯覚に。中にはしっかり字や絵が入っていて『お誕生日おめでとう』。ちょっとしたサプライズになりそうな、思いがけないところから現れる紙の本です。中の文章は、私のオリジナル『お誕生日おめでとう』の話。最後に「お誕生日おめでとう、   さん」と空欄があります。
簡単に本格的な豆本ができる「そのまま豆本」フランス装ティーバッグ型
 この豆本は、ティーバッグの形から考えました。本物のティーバッグと大きさや厚みを似せて、では本の中身は何がいいだろう? と考えた時、「お誕生日おめでとう」がいいな、と。誰かをびっくりさせたいわけで、それもなんだか特別な日に、いたずらっぽく。白紙の本と、パソコンにコピー紙で、ラフを作りました。
簡単に本格的な豆本ができる「そのまま豆本」フランス装ティーバッグ型
 最初のイメージは白黒で、でも白黒のままではだめだなと思っていました。何か華やかなかんじ希望。実は『お誕生日おめでとう』は以前にも作ろうと手を動かしかけたことがありましたが、うまく形にならなかったネタでした。たぶん、色や絵柄のイメージが欠けていたのかも。
 デザイナーさんにこのラフを渡すと、明るくてしっとりした色や絵で仕上げられました。
簡単に本格的な豆本ができる「そのまま豆本」フランス装ティーバッグ型
 ケースや表紙、タグは、『そのまま豆本』の本の中で見ていてもかわいいですが、組み立てると色味が、はっと活きてくるかんじになります。
簡単に本格的な豆本ができる「そのまま豆本」フランス装ティーバッグ型
 文字の色は赤紫。ページのピンク、表紙の黄色や緑との重ねで、「茶色」そのものを使っているわけではないのに、なんだか不思議に紅茶っぽく感じます。
 フランス装の表紙は、何もないところから作るとけっこうずれて大変ですが、作業線が印刷されているので失敗知らず。
簡単に本格的な豆本ができる「そのまま豆本」フランス装ティーバッグ型
 切るのがドキドキする、という人はワークショップで一緒に作りましょう。
簡単に本格的な豆本ができる「そのまま豆本」フランス装ティーバッグ型
 ぽん、と置いてあると、ほんとになんだか不思議な物体。こんなものが生活の中にあったら、おもしろい。というか紛らわしい…?

『そのまま豆本』通販発送予定

『そのまま豆本』河出書房新社の作品ページ
 8月予約受付時での発送予定日を既に一週間過ぎ、その後は15日発売の予定で来ていましたが、お待たせしていてすみません。(お電話もいただいてしまったりして) 今週金曜日に通販分が手元に到着、そこから迅速に発送の見込みです。取り急ぎ、現時点での見込みをお知らせいたします。

『そのまま豆本』制作秘話6 『やまなし』

 『そのまま豆本』にさっそく多くのご予約やご入金をいただいています。言壺通販では、予約特典として印や活版栞つきでお届けします。今週は最後の校正をしていますが、現在のところ9月2週目に発送の見込みです。(商業本ってできるの速いですね!!)活版栞の印刷インクを1日以上乾かしたいので、栞印刷は9月1週目にする都合上、言壺での予約特典は、本の発売よりも早く、8月末で締め切らせていただこうと思います。なお25~29日は当方夏休みを頂戴しますが、お申し込みフォームは自動受付しています。
 なお言壺通販では送料がかかります。おまけはつきませんが、お近くの書店さんへ御予約でもお求め下さい。ISBN978-4309-27206-1
 さて、「そのまま豆本を作るワークショップ」でも作る『やまなし』。
手作り豆本キット
 上下巻をスリップケースに収めています。カバー(ジャケット)を取ると、中は文庫本風の表紙になっています。栞の下のコインと大きさを比べてみて下さい。栞裏にも小さな「にやり」が仕込んであったりする、豆文庫。表紙は「国語の教科書になっていてもおかしくないようなテイストで」とインターネットなどで、デザイナーさんが探してくれたイラストレーターさんのかきおろし。このあたりはふつうに一冊の本を作るのと同じ手順や手間をかけています。超贅沢。
 文章は、宮沢賢治の名作『やまなし』。青空文庫にも載っている著作権なしのテキストです。収録にあたっては底本にも当たりました。このあたりは、文芸な河出のこと、編集さんが情報収集して日曜日に図書館に行ったりがんばってくれました。
手作り豆本キット
 私は、版面をチヒョルトの作図に従って製図し、天地左右余白寸法を割り出しました。右のほうの線がダブルになっているのは、文字があふれるので、本のサイズを版面ごと大きく変更した跡です。『やまなし』は全文収録しています。『水仙月の四日 抜粋』とか『ポランの広場 抜粋』なども最初は候補として考えたけれど、お話のかわいさとメジャーさと短さで、『やまなし』に。
手作り豆本キット 
 帯のアオリは私が書いています。(裏面は賢治。)
 初心者向けキットとして、「一折中綴じでやる」と決めたので、本のページ数はむやみには重ねられない。けれどスリップケースに入れたかったので、本としての厚みは欲しい。ジャケットを着せて帯を着せてふくらみを持たせてゆき、ケースは若干たわめて指一本入る厚さです。かわいくて、本らしい本になりました。
手作り豆本キット

そのまま豆本制作秘話7「universe」

 もうすぐ発売の『そのまま豆本』。ワークショップを受け付けています。言壺から各リンク先へどうぞ。
 さて、「豆本のキット集の本を作りたい」と編集さんから相談を受けてすぐ、一番に具体的な形にしたのが『universe』。商業本の商業印刷で、私がやりたいといえば、宇宙の写真印刷。以前から作りたかったアイデアですが、自分で印刷するとずれるしオフセット外注すると値段が部数が、と踏みきれずに溜めてあったアイデアでした。
 3年ほど前、MBSの豆本カタログで見たアメリカの作家さんの作品で、NASAの写真を用いた豆本「stars」がありました。小さい本に宇宙が入るってすごいなあと。19世紀ならロンドン地図や世界地図の豆本が携行されていたのですが、現代なら宇宙が入る。その本は、堅表紙の冊子本でした。その時に、NASA写真が著作権フリーだと知りました。
 私が形状を考えると、下のように。(コピー紙で作ったラフです)。
手作り豆本キット
 星二つのところが蓋になっていて、そこからくるくる開いていく、折本というかサイコロ。畳んだところが1ページで2cm平方。展開図はパソコンで下のように作りました。あまり複雑にページを重ねると、切るところや折るところを間違えそうで、誰でもが作れる本じゃなくなってしまうかもとシンプルに箱っぽさを残し、継ぎ目なしで作れるように考えました。函外側面が、モノクロです。
手作り豆本キット
 中身はNASAから。NASAのイメージライブラリーNASA IMAGESには、教育目的で、映像やビデオが多数ストックされています。(NASA/courtesy of nasaimages.org)
 「footprint」で検索すると下のような。
手作り豆本キット
 月から見た地球。
手作り豆本キット
 ジュール・ベルヌみたいなこういうの好き。
手作り豆本キット
 彗星も好きなので「comet」で検索。
手作り豆本キット
手作り豆本キット
 そして銀河。ほかにもカラフルな星雲写真を多数ちりばめ、豆本の内側は、カラーで、華やかに。商業印刷でぴちっと出るでしょう。小さな、2cm角の宇宙です。
手作り豆本キット
 星にはそう詳しくないけど以前ハッブル望遠鏡設置の大変な話をちら読みし、画像にハッブルで撮ったと書いてあるとハッブルすごい。と単純に感動しています。ここ数日で秋らしくなってきました。夜空がきれいな季節ですね。星を見ると子供の心に帰るみたい。

『そのまま豆本』発送と、訂正とお詫び

 『そのまま豆本』販売分が到着し、サインなどを入れて発送しました。8月末までの御予約分は全て発送しました。あとは連休明けに、9月お申し込み分の本を発送します。このたびはどうもありがとうございました。
豆本キットの本「そのまま豆本」
 そして、すみません。さっそくですが、校正もれが見つかりました。著者見本で発覚しましたが、この時は既にどの本の印刷も済んで本になって出荷されていました……。出版社のほうで、該当箇所だけを印刷し直した訂正紙をお送りしますので、お手数ですがこちらをご覧になってお求め下さい。(通販分に関しては、修正箇所にあらかじめ挟み込みして送っていますのでご請求の必要はありません。)ご迷惑をおかけして申し訳ありません。【10/31追記:10月始めからの出庫分は、あらかじめ訂正紙(2訂正分をまとめた1枚)を挟み込みして書店等へ出荷されています。】
 その訂正箇所とは……。2箇所あります。
豆本キットの本「そのまま豆本」
 「トランク入りアコーディオン折本」で3mm、そして「7mmサイズの小さな本」で1mm、表裏の印刷がずれてしまいました。「トランク入りアコーディオン折本」はページいっぱいに絵柄を配置していたため、その3mmによって絵柄が切れてしまいます。上の方に余分の白などが見えている本がそうです。また、「7mmサイズの小さな本」は、本全体が7mmという、ミニチュアブックとされる最小サイズの本です。こちらは1mmのずれで、文字が半分切れてしまいました。ページの地色の緑以外の、白も出てしまっています。
豆本キットの本「そのまま豆本」
 見開きページではずれていないので、このように仕上がります。(この裏面に、白が出たページがあります。)
 トランクも、その他の部分は問題なく、組み立ててみるとこのようになります。大きなトランクに折本が3冊、小さなトランクに小さな折本が1冊入ります。
豆本キットの本「そのまま豆本」
豆本キットの本「そのまま豆本」
 このたびの校正もれがわかってすぐ、スタッフミーティング(原因究明)を行いました。それぞれの立場での反省はありましたが、私著者の立場での反省は、チェックが甘かったことです。手元に校正紙は6種、pdfで来たゲラは6種残っていて、原稿の形になってから計12回は、見ては直しを繰り返して充分チェックした気になってしまっていました。しかし、豆本のページが綴じこまれたキット集の本はこれまでに出版されていないと思います。画期的な本だということは、私たちにノウハウがないということでもありました。この本の企画に取り掛かる際には、その斬新さに難航が予想されたにも関わらず、各努力で案外スムーズに進行してしまったため、私が楽天的な気分になってしまっていました。事故がおきやすいのはトンネルの出口、指を怪我してしまうのは作業最後の1カット、ということを、改めて肝に銘じたいと思います。当初の見通しでは、最後の段階で、本紙で両面印刷の校正紙が出るので、それで最終チェックをしようとなっていました。しかし、本紙校正では片面印刷しか出なかったため、表側からと裏側からの2とおり作って本のサイズチェックをし、次の段階へ進んでしまいました。私が、本紙両面印刷で見るべきことを、サイズチェックと両面位置ずれと、2種類の項目に切り分けて考えられていなかったためです。明瞭に切り分けて考えられていれば、両面位置ずれを見られる代替の校正手段を要求したでしょう。実はスタッフミーティングで明らかでしたが、もし要求すればすぐ手近なところに、校正手段はあったのでした。申し訳ありません。また担当編集も甘さを反省し、代替の紙の準備を迅速に進めています。本紙と同じ紙で、印刷し直してありますので、お手数ですがそれで作品を完成させて下さい。私の今後のワークショップやカーニバルなどのイベントでも、手に入れられるようにするつもりです。読者の皆様に大変ご迷惑おかけしましたことをお詫び申し上げます。

『そのまま豆本』制作秘話5 「観音開きの豆本」

 初期のスケッチより。「二方向から開く」別の形で、表紙を左右に開くと、中に二冊の本が並んでいるという形でも作ろうと考えました。向こう側にある裏表紙がつながっていて、二冊の本は向かい合って開く形です。
手作り豆本キットの本
 試作を作ってみると、やはり小さな本の小口が開いてしまう。帯ケースをはめようと考え、帯ケースをいくつか試作しますが、全ボツにして、「シンプルな方がきれいなので、差込式でとめる」と決めました。
 差し込む形は、このスケッチからさらに変えています。細いとすぐ折れそうなのでもっと丈夫に。さらに右利きの人が多いので右手で差込をとめるようにしました(私は左利きではありませんが、左が器用なので、つい左で差込をとめるデザインを作りがち)。同時に、本の形も横長ではなく縦長のシルエットに変更し、二冊が向かい合って閉じた状態で、正方形になるようにしました。本が開かないよう、ページ数は少なくおさえました。
手作り豆本キットの本
 本の中身は、いろいろ考えましたが、結局、二冊をめくってお互いに楽しめそうな『酒とつまみ』に。デザイナーさんがインターネットなどで見つけてくれた、合いそうな画風のイラストレーターさんに、絵手紙風にイラストを描きおろしてもらいました。『酒とつまみ』は相当遊べると思います! どうぞお楽しみに。この本は、中身は全部作ってもらったのでそこは私はとっても楽できましたが、試作はシルエットやページ数や差込の形を変えて、すごくたくさん作りましたよ。
 17種類の豆本を、本のページを切り取って作れる『そのまま豆本』は言壺通販や、お近くの書店さんへ御予約どうぞ。「そのまま豆本を作るワークショップ」やります。

『そのまま豆本』制作秘話4 「二方向から開く豆本」デザイン

 言壺通販で、新刊『そのまま豆本』予約を始めました。発売日は9月上旬発売予定としか今はまだわかりませんが、それまでの予約にはおまけがつきます。さっそく続々とご注文をいただいています。お申し込みはお早めにどうぞ!
 さて、初期スケッチの一枚より。
手作り豆本キットの本
 豆本で、こうした、背表紙がつながった二個一なデザインをよく見かけます。片方から開くと英語、片方から開くと別の言語の本だったり、文章と挿画集だったり。この本の中身は、バイリンガルにしようか、それとも切手集がいいかな、恋愛のそれぞれの視点からの話かな、など考え、いや、花と和歌がいいんじゃない、と思いつき、さらに「春」サイドと「秋」サイドにしよう、と決めました。
 花は写真で、これまでに私が撮りためたものの中から、たとえば秋なら下のような。歌は古今集から。本のシルエットは、初期スケッチでは正方形に近いですが、横長のシルエットにしました。
雪が積もった紅葉
 そうして例によってパソコンで組んで、まずはコピー紙に印刷して、実物大でラフ模型を作ってみると、思った以上に、「背がつながっている」効果がおもしろい本になったことに気づきました。「春の歌」を読んでいるうちに、めくっていくと「秋の歌」にいつのまにか入り込む。「秋の歌」が終わればまた「春の歌」が始まる。循環が、「四季」っぽい形になりました。「秋の歌」にはせつない歌も多いですが、それがまた「春の歌」につながるのも、なんだか人生観。
 本紙で作ってみると、本の小口が開いちゃう…。ケースに入れたい。ケースは、お菓子の帯みたいなのを最初に考えて、その後でタイトル部分にヌキがあるもっとしっかりしたケースに変更しました。
 表紙やケースには、古い図案集から和の文様を取りました。
明治時代の文様図案集
 そして最終的に、こうした形になりました。
明治時代の文様図案集
 この豆本は、「そのままワークショップ」3時間目で作ります。 >>>ワークショップ詳細・予約



制作風景
イベント
豆本ワークショップ
書籍の修理と保存













































































































































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