2012年1月31日

三角形の豆本をつくろう

三角形の豆本をつくろう(シブヤ大学×サンイデー)お申込み受付が始まりました。なお今週日曜の箔押しバレンタインカード(アトリエ111)は定員ご予約満席です。
この豆本の作り方教えます みんなの図工室11~三角形の豆本をつくろう-手作り製本講座~  開講場所:西武渋谷店 サンイデー渋谷
開講日時:2/18(土)14:00 ~ 16:30
問い合わせ・申し込み先:シブヤ大学【抽選受付1/30~2/7 0時】  ワークショップ詳細

 ☆今回制作するのは三角形の豆本です。本授業は、シブヤ大学と西武渋谷店 サンイデー渋谷とのコラボレーション企画から生まれました。書籍販売もあります。

できあがった豆本を店内の素材を購入していただいて、コラージュすることも可能です。そちらは材料費に含まれませんのでご了承ください。
アレンジ例…パンチ、コラージュの他に、サンイデー売り場で購入した白くまのアップリケをつけてみました。アルファベットスタンプを押したらちょっとしたギフトになりそう。
豆本のアレンジ例

2012年1月24日

カッターの安全な使い方(仮説2)

製本の本の写真で、カッターを使っている写真を探しては見ていましたが、数が少ないし全身が写っていないので、料理人が刃物を使っているようすを探して見ていました。うちにTV録画がある料理番組は「キッチンが走る」だけですけど。和食、中華、フレンチ、ベトナム料理、いろいろな料理人が毎回登場して、持っている道具も切る相手もそのつど違うのですが、どのジャンルの人でも、包丁を板に向かって使っている時、腰は斜めで左肩が前に出ているのを確認しました。斜に構えるのが刃物使いの基本だと思いました。包丁の持ち方や、使う包丁は、魚相手や野菜相手などによって、細かく持ち変えています。人差し指を伸ばして刃物の上に置くのは、お刺身を作る時の持ち方です。紙数枚なら、御造りを作るのと同じような優しさで切れるでしょう。前小口化粧裁ちも、紙が重なっているとはいえ紙一枚ずつが離れるので、同じだと思います。
問題は、ボール紙です。たとえ同じ1mm厚でも、紙を重ねた1mmとボール紙の1mmは違う。ボール紙は密に詰まっていて、最後切り終わるまで離れず、深くなるにつれ刃に抵抗が増える。ボール紙を、お刺身を作るのと同じように切ろうとしていたことに無理があったと思いました。たいがいの工房では、シザイユというボードカッターを使っていて、ボール紙を手切りすることはまれです。山崎曜さんの教室にはシザイユがなく、ボール紙を手切りするノウハウが蓄積されています。一部は山崎さんの本や、今度の新しい本にも出ています。定規もカッターも、切る相手がボール紙になったら、まずは道具を持ち変えるところから始める必要があるだろう、というのが現時点での私の結論です。
カッターナイフは、以前愛用していたNT3800を数年前になくしてしまい、それ以来、NT300などいろいろを持っていますが、どれも握ると小指までが自然に当たって五本指握りになります。化粧裁ち用としては、小さな私の手には大きすぎるものが多いようです。化粧裁ち用の一本と、ボードカット用の一本を常に定めたほうが、感覚の経験を蓄積できるので、安全な気がしてきました。

2012年1月21日

カッターの安全な使い方(仮説)

 10日ほど前、カッターの刃が定規を上ってきて、左人差し指を切る怪我をしました。順調に回復しているので、ご心配には及びません。まずは本を汚さないことは守り、止血しました。
 私は、カッターの刃が定規を上ってくる悪癖を、作り始めた初期の頃から持ってます。二年前にも同じパターンで怪我をしました。その時も、作業の終わりかけで、終わったらする次のことに頭が向いた時にやってしまい、「事故が起きやすいのはトンネルの出口付近」と心しました。急いで切ってはだめ、というのは鉄則ですが、しかし、慣れれば速度も上がる。そして私はカッター作業の精度に自信を持っています。痛みを忘れた頃に同じことを繰り返してしまい、何かが根本的に違うのではないかと思いました。急ぐな・気を抜くな、という精神のありように頼るのではなく、カッターの刃が定規を上る癖を根本から阻止するのが、安全対策ではないかと。
 そして、いろいろな製本家や料理人の、刃物を使う姿勢を見比べ、自分のこれまで取ってきた姿勢を思い出して、結論的なものを見出しました。ただ、私が今はまだカッター作業がさほどできないので、自分で実証する前の、仮説の段階です。
 仮説であってもブログに書くのは、豆本作家や、複数の先生に習って複数の方法が未分化で混じっている人に特有の、危険があると思ったからです。痛い思いはしてほしくない。
 私は当初独学で作り始めた頃、小さくて厚みのあるものの前小口化粧裁ちの精度を出すために、切りたい辺を上にして定規を手前に当て、カッターを横に引いていました。この時は、座って覗き込むように切り口を近くで見る姿勢を取っていました。ルリユール工房に行くようになり、カッター作業は立って、切りたい辺は右にして、縦に引くようにと習いました。でも一人で家でする作業の時、こっそり横切りに戻ったりしていました。豆本の前小口化粧裁ちは、やっぱり座って、切りたい辺が上にした時に私の手では最も精度が出ます。また、家で作業する時、机の奥行がないので、切りたい辺が三十センチ近く長い時は、机の奥に横に置き、体を斜めにして切っていました。そんなふうにして意識せずにごちゃごちゃ混じったのは、切りたい物に対する腰の向きだと思います。座って作業してから、机に対する骨盤の向きが並行のまま、立って作業を始めた時、カッターの刃が定規を上る、例の悪癖が始まったのではないかと思われてきました。
 で、この仮説を元にいろいろな製本家たちの作業写真を見比べたり、聞いたりして、私の出した結論(仮説)へ行くと、

・カッター作業で安全を確保するために大事なのは、まずは骨盤と切りたいものの位置関係。切りたい辺に対して、腰は斜に構える。座って作業する時は、切りたい辺を上に、上体をひねってのぞきこむ姿勢がマル。この時は肘を引いて切る。立って作業する時は、切りたい辺を右にして、左足を一歩前へ出す(左ききの人は両方を逆に)。半歩では少なすぎで、足と足が離れるくらいの幅はほしいようだ。この時は、腰を引いて切るのがよいらしい。切るために全身を使う。

・安全のためにもう一つ大事なのは、カッターを動かす速度。速度が上がりすぎていれば、腰を斜に構えていても、カッターの刃が定規を添わずに上ってくることはあり得ると考えられる。速度をコントロールするためには、これまでは「急ぐな」と精神修養的なことが言われてきた。製本には、糊引きのような急ぐ必要のある作業と、カッターのような急ぐと危ない作業とがある。それらの作業に要求されるスピードが異なっている。一つの作業が終われば、次の作業では、作業のリズムを変える必要がある。そのために有効なヒントは、職人の作業歌にあると思う。たとえば和紙職人から、楮を叩く時の歌と、紙をたぷたぷとゆすって抄く時の歌とを聞いたことがある。毎日する単調な作業は、それにかける時間が短くなったり、速度が速くなったりしがち。それをコントロールするのが、歌のリズムや長さだと思った。紙を切る時には、ゆったりとしたテンポの歌を頭の中で歌うとよいのではないか。力の抜けそうな、かぼそい「月の砂漠」とか、腰が後ろへ引けそうな「こげよマイケル」とか……。たとえば、刺身を切る時に最適な包丁の速度がありそうなように、最適な歌がありそうだけれど、とりあえず何か「カッターのテーマ曲」を決めて、歌う。

・もう一つ、大事だと思うのが、カッターの握り方。つい力が入ってしまいがち。これも、「切るぞと思うとだめだ」と精神修養的なことが言われてきたが、気がつくと力が入っていたというのでは根本的に安全ではないと思う。また、初心者に「力を入れないで」と言うと、あまりにも力を抜いてカッターがぶれたり全然切れない人もいたので、力を抜いてきちんと持てる持ち方がよい。カッターを持っている手の写真をヒントに、洋紙一枚にステンレス定規なら基本は刃を二刻み出し、カッターは四本指できちんと持つといいのではないか。小指は伸ばして机上をなぞる。それでスピードも自然と下がるブレーキ役になりそうだと思う(仮説)。五本指で握ると思わず知らず力が入りすぎる時があるので、四本指で。

 以上の三点が、カッターの安全な使い方(仮説)。さらに基本として、作業中に手元から目を離してはいけないのはむろん鉄則。ただし気持ちが一瞬でも離れてしまう、人間だものなミスは、上三点でより安全になるのではないか、これからの作業で実証していきましょう。

2012年1月15日

手づくり製本の本 が出ました


『手づくり製本の本 こだわりの作家もの+作り方』
著者 嶋崎千秋
誠文堂新光社
B5変形版144ページ
本体価格 1800円
ISBN 978-4-416-81207-5
発売日 2012年1月15日発売
「日本の手仕事」をテーマに活動を続ける嶋崎千秋がセレクトした、製本作家やプロダクトデザイナー、コラージュ作家の手製本作品の紹介本。 赤井都、井上夏生、井上陽子、植木明日子、川口伊代、橘川幹子、西尾彩、山崎曜、 yuruliku(敬称略)の作品が登場。赤井都のページでは、約20頁にわたり作品紹介や三角折本の作り方手順を掲載。

年末の東京堂書店や池袋東武百貨店で配った、「言壺便り号外」で既にお知らせさせていただいた方には「とっても楽しみにしています」と言われた本が、発売予定日ジャストに出ました! さっそく見ていただいた方からは、ワクワクする本とメールをいただきました。作りたい気持ちをそそられて、一歩を踏み出すアイデアもたくさん詰まっています。既に作っている人たちの、作る動機や作る思いがわかるのが嶋崎さんのライティングがスポットを当てたことかと思います。私の豆本写真は、実物大以上になっているものがかなりありました。MAHO NIKKIの組版に絡んでいる草は、うちの玄関の前に勝手に生えていた草です。9人の作者が登場するだけあって、幅広く111作品を見ることができます。製本の基本やコツは山崎曜さん、基本の道具はまるみず組さんが紹介してくださっています。
あっ、あと、ちなみに。三角折り本で使っている本文紙は銀座で、豆本と一緒に映っているキャンディは市ヶ谷での頂きものです。ありがとう。。。使わせていただきましたよ。。こんなふうになりました。ありがとう。
本の修理のようすは、ブログ内のこちら。

2012年1月10日

New Year Greetings展

活版、グラフィックデザイン、写真、イラストレーション、
版画、製本、カリグラフィー……さまざまな分野で
活動している方々から送っていただいた年賀状の一枚一枚を、
見て触って、お楽しみください。

出品しています。昨年は天井いっぱいから吊るされた賀状が印象的な演出でした。「小人さん、売ってほしい」と言われました。今年は、私は活版印刷機で刷ったスミのドライポイントと、茶の活字。言葉は私です。今年も、素敵だと思います。

会期:2012年1月7日(土)~1月15日(日)
会場: ギャラリーみずのそら
〒167-0042 東京都杉並区西荻北5-25-2
   企画・会場構成:ananas press(山元伸子+都筑晶絵)
   /CATALYZE DESIGN(山下桂樹)

2012年1月4日

2012年のスタート今年もよろしくお願いします。

まずは、通販プレゼントのお知らせです。電子サイコロを振って、当選者を決めました。5月末に言壺通販をご利用いただいたK様、おめでとうございます。メールで当選通知をお送りしました。3週間の間に送付のご指示をいただきましたら、プレゼントをお送りいたします。ご返信がない場合には再度、電子サイコロを振り、新しい当選者を決めることとなります。あ、今このブログを書いていましたらさっそくご返信を頂戴しました。ご当選確定です。おめでとうございます。

 こんなグリーティングカードを刷りました。

 「龍」にちなんだオリジナル一行詩です。12月31日に活字を組んで刷っていました。夏ごろに、樹脂版のドライポイントを活版印刷機で雁皮紙に刷ったものがありましたので、それも使いました。土台の紙はBird Designさんから教えてもらったクメールの手漉きの紙です。このグリーティングカードは1月7日からの、西荻窪のギャラリーみずのそらでの「New Year Greetings」展に展示します。

 こんなカードも刷りました。埼玉の紙工房たかのの和紙に、活字を刷り、手切りした革ひもをつけました。こちらは、東武百貨店で『豆本づくりのいろは』と特別セットにして販売しました。初日にてほとんど完売してしまいました。

 『そのまま豆本』のためにも葉書を刷りおろし、特別セットにしました。こちらも初日でほとんど完売しました。以上の刷りたてのカード類が、今回は通販プレゼントとなります。
 さて、『言壺カタログレゾネ』できています。東武百貨店での29日の実演では、このレゾネを作りました。革に麻糸で本文紙をかがりつけ、表紙に切り込みを入れて、合わせて、その場で完成させました。道具として、「寄せ板・かがり台」を使いました。「本の場」という製本アトリエのオリジナルの道具で、「本の場」で買うことができます。東武百貨店の「日本の職人展」小さいもの特集・豆本コーナーに、たくさんのご来場どうもありがとうございました。

 表紙は、三木弘志(弘陽)による、活版印刷です。スミに青を混ぜた、青墨と藍色の中間のような色で刷ってもらいました。一般にインクで太ったりするのですが、大変正確に刷られています。表紙に使用したハーフエアーは、活版の味わいが非常に活きる紙ですが、表紙としては繊維の詰まり方が少ない柔らかい紙なので、革のための切り込み部分には裏側から和紙を一枚貼って補強しています。

日英二か国語で、これまでの言壺作品を全部収録しました。表紙も本文も、デザインは、『豆本づくりのいろは』『そのまま豆本』のアートディレクター、小熊千佳子さんです。量のある情報がコンパクトに詰まっています。

 未綴じも同時に販売を開始しました。綴じていない本文紙と表紙のセットで、見返し紙や革はついていません。

 MAHO NIKKIも、作りました。写真は、リボンを仮止めして函の開き具合の調整をしているところ。



 今年は、既に秋ごろまでの予定が入っています。これ以上予定を増やさず、一つずつ、一人ずつにきちんと向き合っていきたいです。またその先の来年の話になりますが、予定を絞り込んで、制作のためにより多くの時間を費やせるように生活を組み立てていきたいと思います。作っているのが幸せ、作り方を教えているのが幸せです。豆本の普及は、今やありがたいことに他の方や、グリコやぷっちょのおまけなどで大手メーカーがしてくれているので、私はよりニッチに自分らしい本を追及する方向に行くつもりです。2012年がスタートしました。東武の催事に出ているので、今年はまだたった4日しか過ぎてないのという充実度具合です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。