2014年2月26日

逃げる2月をつかまえて

 東京堂書店神保町店の豆本コーナーは、消費税率引き上げに伴い、いったん全部の商品を引き揚げます。3月に行っても私の創作豆本は何もないはずですのでご注意下さい。
 言壺通販では、アリス革装本の御予約待ちを全て発送しました。在庫は、1冊あります。欲しい方は今すぐ通販なら、待たなくても大丈夫です。在庫ぎれになると、その後はまたお待ちいただきます。在庫を確認してからという方は、ショッピングカートを使う前に、メールでお問い合わせ下さい。
 また、もうすぐ、ヴィレッジヴァンガード三軒茶屋店の、世田谷233コーナーに、『そのまま豆本』がちびっと登場します。お楽しみに。
 そして、作りたい人へ。春からの豆本教室案内はこちら。ご参加、お待ちしています!
 銀座でも特別体験があります。
この豆本の作り方教えます **銀座おとな塾 赤井都の豆本塾 <特別体験会>(HP)**
**レッスン詳細(pdf)**
日時 2014年3月26日(水)18:30~20:30
講師 赤井都
会場 銀座おとな塾
  東京都中央区銀座2-5-4
  (03)5250-0719
  松屋向かいからシャネルとカルティエの間に入ってデビアスの角を右・キルフェボンの上
申込み・問合先/銀座おとな塾 SANKEI GAKUENHPからか、お電話でどうぞ

2014年2月18日

本は3月までに買おうと思っている

 ここしばらくは、豆本制作の一番最初の段階で、文章を練ったり、パソコンでレイアウトしたりで、パソコンをつけています。ソチオリンピックも、作業の合間につい見てしまう。カーリングなんてうっかり見始めてしまうと仕事が進まない。「つい~~してしまう」っていうこと、どうしてそうなる? など、陥りがちな心理と自己コントロールを、レッスン形式で解説してくれるのが『スタンフォードの自分を変える教室』。この本は読んでよかった。それにしても、オリンピック選手の「自己コントロール」は、すごい。うーん私は今は、そんなに自己コントロールしなくてもソチオリンピックがあるのは今年だけだから、つい見たって、いいかな! 見るほうが元気がもらえる気がするよ!
  冬季五輪が、高校受験と重なった年に、勉強そっちのけで、ずーっと中継を見ていました。運よく、名東高校にうかって、そこで私の話を子供扱いせずにちゃんと聞いてくれる先生と出会うことになりました。『この国で自死と向き合う』を読んで、あっあの時話を聞いてもらったっていうのがどうして自分にとってすごく良い事だったのか、わかった! という気がしました。この本の著者は、自死志願者の話を聞く「おせっかい和尚」。根底にあるのは、仏教の考え方で、たとえば「同事行(どうじぎょう)」。苦しみも喜びも分かち合うこと。話を聞く、ということもその一つ。ともに分かち合うと苦しみは軽くなり、喜びは数倍になる……。このキーワードを知っていると、団体で銅ジャンプを飛んで、泣けるほど「嬉しい」のは、皆で取って喜びが4倍になったから、金より上の反応になったのかな? なんてニュース映像を見て思います。震災からもうすぐ3年という今、『この国で自死と向き合う』は役立つ気がする本です。著者の和尚さんは、仏教を宗教とは考えていない。人の日常生活のあり方を述べた、一種の生き方論、哲学だと捉えている。つまり生きている人のためにあるもの。親しみやすい。
  オリンピックと仏教ワード、他には「自利利他(じりりた)」。自分の利益と他人の利益を両立させることを理想とする考え方。どうして葛西さんや羽生君が「元気を与えたい」「復興に役立てば」とスポーツすることが、私たちに元気を届けるのか? 行為として関係ないことが頭の中で結びつくって人間って不思議。だけど、葛西さんの大ジャンプ画像を見る私は、たしかに笑顔なのだわー。つまり、葛西さんに感情移入しているよねー。けれどその後で日の丸を出されるとちょっと曇るなあ。日の丸のデザインは見事だと思うけれど、スポーツするためにお金なくって苦労したってエピソードを聞いているから、それは国からたくさんもらわずやってきたってことだろうから、がんばったのは葛西さんなんだからさー。
 私が中学生の時にほぼ全中継を見た冬季五輪は、サラエボオリンピック。美しかった会場は、その後、戦火で荒廃。ウィキによると、競技場には墓場になったものもあり、今も多くは廃墟だそう。平和あってこそのスポーツだと思う。つまり、他の国の選手が、良いパフォーマンスをした時にも喜べればいいのか。日本人選手すごい! じゃなくて、人間すごい!って笑顔になったら、いいんだよね。

2014年2月14日

もっと! 春の本祭り

盆栽の梅の花に、ぼたん雪が降りかかっています。雪で街がまたもやシーンとしています。雪で家に閉じ込められてしまう前に、素材をもっと買っておけばよかったーと思っていますが、こういう日はパソコンで編集作業をしましょう。
昨日、「ギャラリー世田谷233」に行って、追加納品をしてきました。当初1月までの予定でしたが、もう少し長く、箱を使わせてもらうことにしました。セイシュンアートが健在の、世田谷線・若林から徒歩数分のボックスギャラリー、お近くでしたらぶらりとどうぞ!
>>ギャラリー世田谷233HP
〒154-0023 東京都世田谷区若林1-11-10 tel 03-5430-8539 営業時間:12:00~20:00
定休日:毎週火曜日、第1・3水曜日
豆本販売
(写真:世田谷233)2014年秋頃までの期間限定
『豆本づくりのいろは』『そのまま豆本』『楽しい豆本の作りかた』、活版印刷で作った『手紙』『Letterpress, Lighthouse』『Finding Light, Keeping Light』(たとうのみ活版)、『水の余白/空の手紙』、『Book and Sweets』、革表紙の切手豆本を委託しています。(2014.2.13時点)

そして勝手に紹介してしまいますが、「自分で編集する雑誌」編ZINEの参加作家の募集も始まっています。
展示は、世田谷のボックスギャラリー233で9月が予定されています。
展示に来た人は、自分の好きな表紙と、本文ページをその場で選んで、好きな順番で綴じて、自分の本にします。
今、募集が始まっているのは、中身のテキストや絵が提供できる作家さん。
現在、世田谷233で、去年の「編ZINE」ひとそろいを、700円で販売しています。それを見ると、去年は、文章や漫画や、お札コレクトマップ、フェルトやレジンクラフトの作り方など。「縄文ハンバーグの作り方」というのも光ってます。つくもさんの短いお話もあります。
私は、今年、超短編提供で、参加の方向でいます。
自分の幅を広げるため、もっといろんな人と出会うために、編ZINEはいかがでしょう?
なんと、「企画展なので」と参加費は無料の太っ腹!
編ZINEの詳細はこちらをどうぞ

ところで、『豆本づくりのいろは』アートディレクター小熊千佳子さんデザインのポスターが、チューリッヒ・デザイン・ミュージアムに収蔵されたそうです! ウェブサイトでもポスター見られます。

2014年2月11日

春の本祭り! 教室の紹介2つです

この豆本の作り方教えます「東京豆本倶楽部」
日時: 4/14, 5/12, 6/9, 7/14, 9/8(第2月曜全5回)10:00~12:00
場所:市谷仲之町(曙橋または牛込柳町から徒歩8分
『楽しい豆本の作りかた』の作例を一つずつ作ります。月に一回くらいイタリアンランチも良いかも? 平日昼限定の4月生の募集を始めます。あんまりがんばらずに、ゆっくりペースで楽しく作品が完成していくカリキュラムを考えました。詳細はこちら
お申込み・お問い合わせはメールでどうぞ



この豆本の作り方教えます 池袋コミュニティ・カレッジ 赤井都の豆本教室 ハガキフォルダーを作りましょう

葉書サイズが入るフォルダーを2時間で作ります。大きな紙を半分に折って、また半分に折っていく、楽しい紙の工作作業です。表紙には活版印刷のラベルを割ピンで好きな位置につけます。
日時 2014年4月19日(土)13:30~15:30
講師 赤井都
会場 池袋コミュニティ・カレッジ
  〒171-8569東京都豊島区南池袋1-28-1西武池袋本店別館8・9階
申込み・問合先/池袋コミュニティ・カレッジHPからか、電話03-5949-5483でどうぞ


2014年2月5日

豆本の値段について

 先月、松屋古書展で呂古書房さんにお会いした時、「今の豆本が安くって」と言われた。でも私は「いえ、古書の豆本のほうが安くって」と言って、二人で顔を見合わせた。
 古書の値段は、その本が欲しいと思う人がどれだけいるかという需要、その本がどれだけレアかという供給、そしてその本自体の価値への店主の目利きで決まると私は理解している。
 店主の目利き。これがなくって需要と供給だけで値段が決まるのは、たとえばヤフオク。ヤフオクは、一人が欲しいと思って、一人が値段を吊り上げる心理テクでも使えば、価格はうなぎ上りになる。 「ヤフオクの値段はむちゃくちゃ」といろんな古書店主から聞いたことがある。
 古書店がつける値段には、まっとうさ、という指標もひそんでいる。「どんなに売れる物だって、この本にウチがつけるのはこの値段さ~」ってところか。お店のカンバンを、一冊ずつ本の値段がしょってるというと大げさだけど。
 私が駆け出しの頃から行っていたのが、かげろう文庫さんで、そこで「こんなの作りました」と『雲捕獲記録』を見せた時、「発行部数は何部? 販売価格は幾ら? う~ん、これは古書価はもっといくよ」と言われたのが私が「古書価」を意識した始まり。
 それ以来、私は、今の需要と供給(私のかけた労力や作った後の疲れ度、売れそうな価格・売れて材料費や印刷費が回収できるかどうか)だけでなく、「この豆本がもし古書になったら古書価は幾らだろう?」ということも、ちらっと考えて、値づけするようになった。古書価があんまりとんでもなく、販売価格からかけ離れないようにと願って。買ってくれる人に、ばかみたいなおもちゃを掴ませないようにと。また、古書価がつけられる程度には保存がきく素材であるようにと。古書価には私がこれから何をどう作っていくか、という将来も大いに影響することなので、確定したものはないんだけど。
 その結果としての私の価格は、ミニチュアブックソサエティのカタログに載っていると、周りの世界の豆本から比べて、どこかおかしいの?自信ないの?と訝しまれそうなくらい、はっきり言って安い。
 製本の人からは、「いっつも安い値段で…」と憐れまれるくらい安い。
 手製本やアートにあまり触れていない人からは「高い! 紙がこんな値段なんて!」と言われる。
 本と豆本を10年くらい作ってきて、わかるのは、本っていうのは値段が高くなって当然な表現形式なこと。つまり、本はすごくコンパクトに詰まってしまう物だ。
 たとえば、活版印刷のポストカードが一枚300円くらいで売られている。それが活版アートの価格とすると、64ページ活版で作った本は印刷だけで単純計算で19200円、それに綴じや表紙や面付けの手間が加わって2~3万円軽くいくと考えられる。
 エッチングで一枚1000円の価格をつけている人は、16ページの本にしたら単純に印刷だけで16000円になる。それに連作としての完成度や綴じの値段を加えたらもっと上がる。たいして表紙に凝らなくたってすぐ2~3万円な物になる。
 よっぽど気をつけないと、力を入れて高くなりすぎな物を作ってしまう。
 本が西洋で昔、羊皮紙で作られていた時、本を作る際には、まず領主に狩猟の許可を取って、羊を何十頭もほふり(羊代だけですごい値段)、皮をなめして書ける状態にして、そこに手で字や絵を書き込んで、綴じて、表紙をつけて…。一冊の本が、馬車何十台ぶんもの財宝に匹敵したと言う。(このエピソードは『豆本づくりのいろは』にちらっと書いた。)つまり、本というのはそれだけコンパクトに詰まるメディアで、一冊に、何十頭もの羊の皮と、注意深い絵の具などが収まってしまう物だということ。
 そんな私が勝手に共感を覚えるのが、お菓子の世界だ。和菓子やフランス流のプチフールも、ものすごい手間が、小さな小さなお菓子に凝縮してしまうんだから。そしてそれを、人の口に入る値段にしなくては誰も食べられないんだから。
 本づくりを、小さくても出版と考えているので、コスト削減は常に考える。ただアーティストの我儘ぶりを発揮する部分もある。コスト削減だけでモノ作りなんてつまらないし、かける手間を中途半端にもできないわけだし。
 本を作る時は、選択の積み重ね。何色を選ぶか、素材をどうするか、どんな方法でパーツを組み立てるか。『選択の科学』を読んだ。自分の選択は、自分が作るということ以外の何かに影響されていないかは、意識する必要がある。
 読書する人の姿、手の中にある本を見るのは好き。『読む時間』は本という物をもう一度考えさせてくれる写真集。

2014年2月3日

かつくら

小説ファン・ブック「かつくら」vol.9 2014年冬号p.99書籍のコーナーに、『楽しい豆本の作りかた』が紹介されました。ありがとうございます!