2015年10月22日

図書館浦島

 寒露の頃、近況はやはり豆本を作っています。品切れになったアリスなどをちびちびと。週末には東京堂書店へ納品の予定です。
 ミニ個展『箱の中の豆本図書館』ただいま開催中で、次の自宅アトリエ個展の日程が決まりました。年明け1月中旬とこれまで予定してきましたが、日程は18日(月)~24日(日)の7日間でいくつもりです。日程が具体的になったとたん、作品がまだないのに気づく。次の作品は、実は去る3月にかなりしっかりと形を詰めて、壜入り豆本のために中断し、半年寝かせてありました。いよいよ試作品の箱を開けて、これまでのアイデアに直面する時。
 でもこの手はまだ、品切れ豆本にかかっているので、頭は次の次の作品の計画で、調べものをしていました。これまで図書館で調べたい時は、国立国会図書館とか、大きい所へ行って行列待ちで疲れていたのですが、国立のデータでインターネットから検索して目星をつけておいて、地元の図書館へ行ってみました。最近地元志向なので。県立は静かで、でも楽しいところでした。次に本当に歩いて行ける近所の分室へ行って、公共図書館ってすごいと改めて思いました。入口で身分を示す必要もなく誰でも入れて、閲覧やデータ検索も誰でもできて、検索の文字列がよくわからないと思えばカウンターで聞けば教えてもらえる。借りようと思った時にカードが要るだけ。そのカードのサービスも、改めて久しぶりに接すると、予約もできるし、メモをつけてもらえるし、すいているから係の人は何でも進んで世話してくれてかゆいところに手が届くし、いやこの公共図書館の理念と実践はすごい。無料なんですよね。『本と図書館の歴史』によると、こうした公共図書館は、1800~1900年代頃にアメリカで次々に誕生したそうです。その前は、フランクリンが設立した会員制の図書館で、高い年会費を払って、会員どうしが本を回し読みしていました。その前は、オックスフォード大学などに寄付でできた図書館がありました。その前は、印刷物がなかったので手書きの写本がメディチやバチカンにあったということです。その前は……、図書館で調べてね。
豆本

2015年10月9日

35cm四方の小さな個展「箱の中の豆本図書館」世田谷



箱の中の豆本図書館 10月8日開館 11月30日閉館
赤井都ミニ個展
開館場所 世田谷233(せたがやにーさんさん)内ボックス内
〒154-0023 東京都世田谷区若林1-11-10
電話03-5430-8539
開館時間12:00~20:00 毎週火曜日、第1・3水曜日定休


~箱の中の豆本図書館 蔵書目録~
壜入り活版豆本「赤い鳥」シリーズ5種
英語の童謡詩『Twinkle, Little Star』
百人一首より『恋ぞ積もりて』
超短編『ぴょん』
英語の超短編『Small Gift』
稲垣足穂「一千一秒物語」より『どうして酔いよりさめたか?』
活版ミニカードとのセット限定50部 本体価格5000円ほか
『中原中也文学』の復刊、「手紙」三部作など。


某月某日、ギャラリー「世田谷233」店長よりメールあり。
「233のボックスの一つを小さな図書館っぽい内装にしました。
本格的なつくりになっています。
実は『箱の中の豆本たち展』からずっと温めていた企画なんです。
信頼できるジオラマ作家さんとつながってやっと実現しました。
しっかり世界観があるように作っていただいています。
ここに豆本作家さんの作品を並べて販売したいと思っています。
ということで、こけら落としは赤井さん以外考えられませんっ。
ボックスサイズは横39cmで高さと奥行きが35cmです。
棚の高さは各6cm奥行き4cmです。」

某月某日、返信。
「わくわくします。
実はこの秋、『赤い鳥シリーズ』が完結します。
4年間にわたり、赤井都がブックデザインして
小さな活版をBird Design Letterpressが活版印刷し、
赤井都が製本し、そうして一つずつ作ってきた豆本です。
壜に入ったこれがその本棚にたぶんサイズがぴったりで
その箱の中に並んだ眺めを見てみたいです。
年明け冬には、自宅アトリエで個展をしますので
その前のミニ個展に。
展示期間はいつから(以下略」赤井都


新しい展示、始まりました。35cm四方の小さな個展です。
世田谷線沿いにトコトコと、どうぞ秋の風に吹かれてお出かけ下さい。

2015年10月6日

「そっと豆本、ふわっと活版4」無事終了しました


三省堂書店神保町本店一階Bookmans' Galleryで、「そっと豆本、ふわっと活版4」を9/22~28の7日間、Bird Design Letterpressさん、活版工房さんと一緒に開催しました。たくさんのお越し、ありがとうございました。スタッフさんたちにもお世話になり、ありがとうございました。場所は、去年から、雑貨店側と書店スペースとの境あたり。靖国通り側から入れば正面で、村上春樹の隣に豆本があって、その出世ぶりにびっくりです。すずらん通り側から入ると、やっぱり探したという証言も。

小さな力作、超短編集『月夜のまひる』。外国からのお客様たちにも、美しい、と見ていただいていました。また、原画も好評でした。周りにいくらでも魅力的なモノがあり、かつ書店ベストセラー棚には『もうモノはいらない』が乗っている中で、しっかりと人に見られたり、本気で欲しいと思われたりしたのは光栄でした。今回は、什器も手作りしています。

注目を集めていたのは、こちらも。稲垣足穂『一千一秒物語』から一編を収録、挿絵と一緒に活版の茶インキで刷った革表紙の豆本。箔押ししました。

活版のぽち袋、カード、紙など。Bird Design Letterpressさんと、活版工房さんの大人素敵な紙アイテムです。

目の前で作るハードカバー。活字を押した革タイトルを入れました。毎日何時間も作り続けるのは大変だと思ったけれど、会期が7日あったので、ほどほどに分散して人が来てくれて、お楽しみいただけてよかったです。これは楽しいので、続けたい試みです。

活版ワークショップ。小学生が進んでチャレンジしたり、部活動もあったり、広がりを感じたワークショップでした。たくさんのご来場、どうもありがとうございました。会期が終わって、中秋の名月・スーパームーンを楽しみました。秋もすっかり深まっています。