2016年10月29日

都立工芸高校で豆本『雨ニモ負ケズ』と組版が展示されています

豆本展示
豆本展示
東京都立工芸高等学校の文化祭へ行ってきました! 正門からすぐの記念館に、豆本『雨ニモ負ケズ』と組版が展示されているのです。弘陽の活版整版家の三木さんは、工芸高校の出身で、ここで教鞭も取っていました。グラフィックアーツ科出身者の展示が、この場所でこれから6カ月間続きます。(※文化祭の間は誰でも入れますが、それ以外の期間は一般は入れないそうです。)美術展のポスターなどの清刷(きよずり)も、三木さんの仕事です。他には、原弘さんや、最近話題の、平らに開く方眼ノート、広重の復刻に関わった最年少の浮世絵彫り士、またグラフィックの作品などが展示されています。9階から1階までの文化祭もとっても見ごたえがありました。広いので迷うということで、三木さんと活版印刷に興味のある方々とご一緒させていただきました。
豆本展示
豆本展示
ここでは、印刷技法ではオフセットやエッチングなどと、活版印刷が学べます。初号の活字が贅沢に並んでいました。古い活字を変えずに使っているそうですが、初号活字って高いけど、かっこいいです。基礎力がありそう。秋の文化祭の雰囲気を堪能しました。
豆本展示
豆本展示
豆本展示

2016年10月28日

アートブック『孤独』の中の松葉

豆本
『孤独 Loneliness』の挿画のためのスケッチは、南会津で描いて来ました。目の前に物がないと描けないタイプなんです。山頭火の俳句集のタイトルは『草木塔』で、句は突き詰めれば「ママ、ママ」と言っているものもあり、当初は卒塔婆のような形を函に対してイメージしました。山頭火が歩いた野山は西南辺りなので、竹をモチーフにしようと思っていました。ところが、山道で松葉を見たとたんに、私はこれでいこう、と思ってしまいました。尖っていて、他の葉たちとは全く違う形をしている。でもありふれている。表紙には、松葉のリースを。王冠を。背表紙と前小口とが似た形状なので、表紙の左右どちらから開くかわかりにくいと思い、ホワイトゴールドの小さな丸を、熱したツールと定着液を使って刻印しました。函はぐっと和洋折衷な、しゃれた雰囲気で、自意識たっぷりでありながら率直て飾らなくもあり、鎧のようでもあるような形に。古い紙がちょうど散り紅葉と松葉の絵だったので、それを見返し紙にしました。綴じは隠さずに見える形に、麻の蝶のように、見返しのそばに現れます。
豆本
足元に散った松葉を見るうちに、松葉をモチーフにした日本の文様を思い出しました。子供の時の記憶もよみがえりました。松葉を互い違いに組み合わせた形で描いてみたり、松葉を30度ずつ回転させて組み合わせた形に描いてみたり、山道の風景そのままよりも、もっと様式化して描いてみました。なにしろ小さな画面なので、凝縮しないと、入りきらない。薄い雁皮紙に刷ったので、裏からも鏡文字が楽しめます。この本は、通販をしていて、実物は12月の中野の個展に出品の予定です。
豆本
豆本

2016年10月27日

小さなアートブック『孤独』の1ページ

豆本
体調を整えるために朝夕、散歩しています。蝶が秋の花の周りをよく飛んでいます。頭をよぎるのが、「ひらひら蝶はうたへない」という種田山頭火の俳句です。五七五ではなくても、俳句になっています。この句を口ずさむたび、孤独を感じます。飛べても、歌えない、と。『孤独 Loneliness』では、真ん中付近にこの句を配置しました。この豆本では、私は編集の立場で、山頭火の句を選び、並べました。そして挿絵を描き、ドライポイントの版にして刷り、活字を組んで刷っています。ブックデザインと製本、製函、伝統手法による初の金箔押しをしました。絵は、倒木と二匹の蝶です。ドライポイントで刷ると、もやもや~んとした「バア」によるにじみが生まれました。駒井哲郎さんが『銅版画のマチエール』で、それが大事なマチエール(物質的な現れ方)なのだと言っている、版の表面を尖った金属の道具で引っかいてできるバア(これもフランス語で、ささくれ)。雁皮紙に載ったバアの効果は、刷った本人にも意外な現れ方で楽しく、見ているととても奥深い、インクによるもやです。新しいけれど古いような本をイメージして作りました。見返しに使っている紙は、山頭火がいた時代に重なっていそうな紙です。マグネットを埋め込んで、かちっと止まる表紙と函、その反面、ふわっと柔らかい函の側面が、ぞわぞわ、と何かの記憶を誘う、ちょっとお菓子の函のような郷愁のある、かっこいい黒革と強い金線の函です。
豆本

2016年10月17日

豆本『BOOK』を製本しました

豆本制作中
通販品切れになっていたアートブック『BOOK』を、製本しました。実は『BOOK』とラベルを貼った整理函を10カ月間ずっと取ってあって、その中には、表紙をつけさえすれば完成する状態になった、作りかけのミニチュアブックが4セット入っていました。ここに至るまでに、本文紙データを作って、紙を準備して、レーザーカットカフェまで行ってカットして、紙を折り畳んで、表紙の革を一枚の革から切り出して、表紙ボールも切り出して、やすりかけして、貼って、箔押しして、そして革ひもを切って、革ひも用の穴を表紙に開けて通して、と、ここまでに一体どんなに手間がかかっていたことか。それなのに、完成目前で、あと4冊の見返し貼りの時間がどうしても取れなくて、4冊残して他を完成させ、続きをする時間が10カ月間なかったという状態でした。ようやく、表紙と中身をつけて、見返しを貼って、完成させました。この『BOOK』は通販と、12月の個展に出ます。常設店にも置いています。山羊革の手触りが手の中ですべすべとして、クラシックな外見の本を開くと、思いがけない驚きの中身が現れる、ギフトにもぴったりの小さな本です。
豆本制作中
豆本制作中
豆本制作中

2016年10月14日

原宿に行ってきました。

デザインフェスタギャラリーWESTで、編ZINE展が始まりました! MBS受賞作『月夜のまひる』に収録中の一作『やわらかな鉱物』は、豆本にする前に、編ZINEにも提供していて、こちらでも読めて、雑誌の1ページにできます。左の下の方にあるよ! 10枚のモノクロページと、1枚のカラーページを選んで、好きな順番にして自分の雑誌を作れます。綴じは、今年は「とじ太くん」の登場で、参加者は「製本指示書」を書いて、まさに編集者の立場に。小説、実用、漫画などのジャンルミックスが自然にかっこよく見えるのが雑誌の不思議。私の書いたものが、思いがけない人に読まれ、思いがけない順番で綴じられる。新たな出会いにわくわくします。
豆本販売店舗
豆本販売店舗
豆本販売店舗
WEST館の廊下を進むと、そこにネガパン。8年記念だそうです。やっぱりかわいいし豆本おもしろいし。丁寧な造りで量産できなさそうな豆本じゃなくて、ポストカードのほうがたくさん売れるかもしれないなんて。ネガパンのかぶりものが、デザフェスっぽいと思いました。秋のおしゃれ町の散歩を楽しみました。
豆本販売店舗
豆本販売店舗
豆本販売店舗

2016年10月8日

池袋でお取り扱い開始です。そして残り僅かな品について。

池袋西武本店の別館にある三省堂書店池袋本店一階いちのいちでも、豆本のお取り扱いが始まりました。池袋という新しい場所で、新しい出会いがたくさんありますように。今の品揃えは、『BOOK』『2016』『雨ニモ負ケズ』フランス装と、ブックシュー入り二冊組、『第一の手紙』『第二の手紙』『第三の手紙』「切手のミニカード」です。雑貨とカフェと本とが交差する位置。とても便利だと思います。私も月二回のコミカレの行き来に、立ち寄ってはいろいろ発見しそうな所です。私は特にどこかの本屋さんの社員とかでもない自由な身分なので、呼んでくれる先々で、あちこち少しずつ違うところを楽しんでいます。
豆本販売店舗
豆本販売店舗
豆本販売店舗

さて、ところで今、通販で在庫僅少になっている作品は、こちらにあります! 『赤い鳥1号 Twinkle, Little Star』は、タコシェに2つ、神保町いちのいちに1つあります。これが売れたら限定50部完売になります。今年のミニチュアブックコンペティション受賞作『月夜のまひる』は、通販であと2冊あります。東京堂書店神田神保町店に5冊くらい、ギャラリーみずのそらに3冊くらいあります。みずのそらは、オープン日をウェブサイトでチェックして下さい。素敵な場所で展示企画も良いので足を運ぶといいことあると思います。『BOOK』は、東京堂書店神田神保町店と、三省堂書店池袋本店いちのいちにあります。数冊作り足すつもりです。『Alice's Adventures in Wonderland』は、東京堂書店神田神保町店に1冊入れました。これから作り足します。品切れの際はご容赦下さい。行けないから通販でという場合は、メール下さい。今日までがんばってきて山を越えたので、明日から少し人間らしい暮らしが待っています。少しずつ対応させていただきます。12月の中野での個展に向けて、作りためていきます。


2016年10月7日

『雨ニモ負ケズ』未綴じのパッケージは二冊組にしました。

活版印刷の豆本一冊分と、組版写真の豆本一冊分をセットにしました。それぞれ、本文紙と表紙がついています。豆本はトンボで切れば本文天地70mmです。余白は数ミリ切ることができます。東京堂書店に納品しました。通販は、カートは動くけれどお届けまで少しお待ちいただきます。このシートから、二折り中綴じの構造で、ハードカバーにしたり、フランス装にしたり、好みの装丁に仕立てられます。表紙ボールや見返しや花布は、お好みのものをご準備下さい。「そっと豆本、ふわっと活版5」でも好評で、このまま飾っておいてもいいよね、という見方もありました。催事は終わったけれど、お店への納品などで今、働きすぎなくらい忙しいです。教室もいっぱいだし、一人の手でできることとして大変充実しています。あえて一人の手で、クラフトマンシップを追求します。
活版豆本
活版豆本

2016年10月3日

「そっと豆本、ふわっと活版5」と豆本レッスン

「そっと豆本、ふわっと活版5」、お越しいただいた方々、どうもありがとうございました。今回も多くの初めての出会い、再会があり、秋雨に負けず楽しい7日間でした。この場を借りて御礼申し上げます。
そっと豆本、ふわっと活版5
そっと豆本、ふわっと活版5
そっと豆本、ふわっと活版5
そっと豆本、ふわっと活版5
新作の活版豆本『雨ニモ負ケズ』は、とても評判がいいです。他にもいろいろと品薄のものがあり、忙しくなっています。通販ショッピングカートの品数を、在庫数と揃えておきました。もしも買いたいものがあって、カートに入れた時out of stockになっていたら、ご相談下さい。店舗に在庫が1つだけ残っているものもあります。作ればそのうちカートに入れられるものもあります。
そっと豆本、ふわっと活版5
教室も休みなくやっています。土曜にお出ししたお菓子です。自宅レッスンは満席が続いていて今キャパかなり一杯です。日曜の朝日カルチャー千葉公開講座では、「イタリア語の練習」を皆で作りました! 小さいけれど本気にならなけば作れない、そして見事に完成しました。