2017年12月28日

今年の締めの活版印刷

ご予約分の『一千一秒物語』の作業をコツコツと進め、クリスマスに間に合うように発送できて、ほっとしました。今年の春から夏、秋、冬は、この本を発行するためにありました。春に絵を描き、夏に印刷し、秋に形にし、冬に数を作りました。
箔押し
こちらが一区切りついたので、年明け展示販売のために、蔵書票を作りました。和紙に、『一千一秒物語』からの挿画を貼った一点ものになっています。私にとって、絵を描いたり、活版印刷をしている時が、最近は楽しい時間になっています。蔵書票は、本に貼り込んで、持ち主が誰であるかを示します。罫線の間にお名前を書き込んで下さい。どの本にどれを貼ろうか? なんて考えてもらえると、おもしろいと思います。
活版印刷
活版印刷
活版印刷
活版印刷
そして、来年、犬年。『青い鳥』からの一節を刷りました。犬がミチルに対して初めてしゃべれるようになった時のせりふ。犬のせりふってかわいい。活字の「!」は持っていなくて、また「,」しかなかったため、こういう組版で今年の間に合わせてしまいました。皆さま今年一年ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。 活版印刷

2017年12月13日

「MECHANICA PHOLIC avec Miyako Akai」のご案内です

「稲垣足穂」とは、一つの怪現象である。稀覯本を含む、関連書籍を展示。また、一千一秒をモティーフとした、ブックアーティスト赤井都の作品を展示。(展示されている書籍は、すべて閲覧可能です。)
会期 2018年1月6日(土)~28日(日)
会場 Le Petit Parisien(墨田区東向島2-14-12) tel 03-6231-9961
Open13~18時、19~24時。木曜定休、その他不定休が入ることがあります(不定休のご確認は店舗facebook等でどうぞ)。入場無料

豆本展示
展示タイトルは、企画の方でつけていただきました。私の豆本が、マグネットを使ったアナログな機械仕掛けの機構を持っているから、そのイメージもあってかなと私は思っています。 一千一秒のために今行っている作業は、写真は撮れるけれど、小さすぎて説明できない。この豆本の他、蔵書票も出品予定です。
豆本製本途中
豆本製本途中

2017年12月4日

今年最後の月ともなりました

墨田区での豆本ワークショップ、そして朝日カルチャー千葉での豆本講座、無事に終わりました! 参加者の皆さま、小さな手作業、お疲れ様でした。自宅アトリエでの教室は隔週土曜日、随時プライベートレッスンを継続してやっています。

次のイベント

2018年1月6日(土)~28日(日)Le Petit Parisien(墨田区東向島2-14-12)で、稲垣足穂豆本の展示販売を行います。併せて、稲垣足穂の貴重書が展示されます。展示はお手に取ってご覧いただけます。入場無料。Open13~18時、19~24時。木曜定休、その他不定休が入ることがあります。詳しいご案内は、後ほど。今しばらくお待ち下さい。

さて、作品づくり、少しずつ手を動かしています。少しずつでも前進あるのみ。『一千一秒物語』のご予約分を製本しています。もうすぐ製函。
豆本製本途中
小さいことは、何をしているか傍目にはわからない途中経過です。
手慣らしに、この作品以外で何度かちょこちょこと金箔押しをしてきました。そうしてわかったのは、金箔押しはきっと私に向いているということです。好きな作業だし、成功率も上がってきました。手慣れるって大事。たしかに、よく言われるように、ゴールドの輝きが革を美しく見せてくれます。下は、豆本の合間に自分のために作った、久しぶりに大きいサイズのアルバム製本です。手前のページに写真を貼り込み、奥の方にA5サイズの書き込み済みのノートを3冊綴じ込みました。
アルバム製本

2017年11月10日

The 3rd Hong Kong Book Art Festival

 The 3rd Hong Kong Book Art Festivalへ、行ってきました! 香港政府招待で、飛行機やホテルを出してもらって、展示、講演、ワークショップを行いました。帰ってきて一週間がたち、日本でも次々に人と会ったり仕事の続きを進めたりしながらも、香港の余韻を楽しんでいます。

 出発は、成田から。5時間のフライトで、到着したら山崎曜先生、都筑晶絵さん、山元伸子さんと合流して、トランクをピックアップして一緒に市内へタクシーで。そしてすぐにギャラリーに向かい、展示のセットアップをしました。
 翌日夕方から、オープニングでした。公募で集まった本への表彰もしました。赤井都賞、出ました。公募で集まった本は、ギャラリー外のオープンスペースに展示されました。



 ロビー吹き抜けに掲げられたイベント案内に、私の名前も、入っています。展示には3日間で1000人を超える人が来ました。

 ギャラリーで私の豆本を人が見ようとするとこんなかんじになってました。

 展示はこんなふうに。5作品出品しました。『航海記』特装版、『航海記』たとう付、『本』、『月夜のまひる』、『Please Open』


 ギャラリー内には、紙の会社からの色とりどりの紙の提供で、自分でその場で本を作れるコーナーも設置され、にぎわっていました。豆本がちゃぽんHongKongもあって、みんな楽しそうに回していました。いい企画だと思いました。

 そして、ワークショップ。活版印刷のミニチュアブック『雨ニモ負ケズ』を二時間で製本しました! 作品を通じてたくさんの方と出会えたり、お話できたりすることは本当に楽しいです。この日に作った小さな本が、それぞれの方のところで、それぞれの時間を過ごしていることを想像します。私は日本に帰ってきたけれど、香港にたくさんの小さな本を置いてきたわけで、それらはずっとその方たちと一緒にまだいるのです。

 街歩きも楽しみました。本屋さんへ連れて行ってもらいました。豆本がちゃぽんHongKongが設置されている素敵なブックカフェKubrickでランチ。

 山崎曜先生と、湾仔歩き。私たちは二人とも、製本にそんなに必要かしらというくらい体幹に関心があるタイプなので、二人してどんどん歩きました。もう一軒、本屋さんに行きました。ここも素敵な品揃えでした。

 そして、プライベートワークショップ。少人数で、アリスを一日で作るというチャレンジでした。




 合間にカフェ飯、デザートつき。このタルトおいしかった。表紙のやすりかけも、革すきも、容赦なくやってもらいました。この作業量、仕上がらないかも、と思った時、「音楽をかけてもいい?」と、参加者さんたちはラルクアンシエルをかけて、がんがん手を進めました。素敵ー。こうしてアリス本はめでたく仕上がったので、皆で小籠包を食べました。それもおいしかった。





 ブックフェスの主催、キュレーターでもあるティアナのオフィスは、アーティストのために提供されているオフィスで、素材や道具や作品や本が詰まった空間でした。こういう場所を見るのはとてもおもしろい。


   それぞれのスケジュールで動いて、ホテルに戻ると、そこでも一人ではなく、部屋はアーティストのジェインとアデリンと私と3人のルームシェアでした。アーティストトークやガールズトークをしたりして、とても楽しかったです。星空の下のカップヌードルとかも。2年ぶりに会ったジェインからは、私の人となりは軽くなって、作品は深くなった、いい方向にいってると言ってもらいました。フェスが終わって別れて、私は延泊して、香港の滞在を楽しみました。一人行動していると、広東語で道を聞かれたり話しかけられることが何度もあったので、わりと自然に溶け込んでいたと思います。一人でしたことは、道具街を歩いたり、パン屋さんやスーパーや甘味処に入ってみたり、丘に登ったり、とかそんなかんじ。日常を楽しみました。



   毎朝、ホテルの裏の丘に登って、頂上の公園で山崎曜先生に太極拳を教えてもらっていました。体調が整うかんじで、良かったです。丘の斜面にはゴムの木が生えていたり、黒いトサカの小鳥がたくさんさえずっていたりしました。朝の公園は、後ろ向き歩きやぶら下がり運動など、いろんな健康法の人たちでにぎわい、夕方には、夕日を見る人たちでいっぱいでした。海にかかる橋に落ちていくふんわりローズピンクの太陽、そして輝き始めるハロウィンの半月。健康になってよかったなあと何度も思いました。台湾もおいしいし、カフェがおしゃれなんだって。呼んでくれる人があったら、行きますよー。10月末の香港、過ごしやすい気候でした。人に、街に、自然に、本に、たくさんエネルギーをもらいまいた。

2017年10月23日

記事の紹介

ウェブマガジンさんちに紹介されました。
それでは香港へ、展示とワークショップと講演に行ってきます。

2017年10月18日

次のイベント

2017年10月24日(火)-29日(日)「編ZINE2017」
好きなページを選んで綴じるという、編集と製本をご自分でという「編ZINE」。今年は高円寺で、5周年を迎えます。私は、豆本ではないサイズで、超短編小説と挿絵のページを提供しています。
12-19時(最終日17時まで)高円寺自由帳ギャラリー(高円寺北2-18-11)主催233コミケ部

2017年10月26日(木)-30日(月)「Hong Kong Art Book Fesival 2017」
2年前に初参加し、その次の回にあたる今回も香港政府招待で作品5点出品、講演、ワークショップを行います。展示会期は30日までですが、私は11月2日まで香港に滞在します。
トランクを干したりとか、ワークショップの素材を準備したりとか。講演の原稿を、頭をひねりながらうんうん進めています。香港でお互いよい時間を過ごせますように。

2017年10月6日

「そっと豆本、ふわっと活版6」ありがとうございました。新作できています。

9月から10月にかけての一週間の催事、三省堂神保町本店一階で、豆本と活版を皆さまにご案内しました。お世話になった皆さま、どうもありがとうございました。
新作を、製本できたのはまだ見本だけですが、意志の力でなんとか間に合って出品することができました。ただいま予約受付中です。ご興味のある方は赤井都宛メール下さい。

新作の豆本を作った凸版がまだ使えたので、テキンでインクをグラデーションにして刷ってみた活版絵葉書。本の絵柄の絵葉書って案外ないなあ、と思って作りました。

著書本はたくさん積んだ山が、最終日にはすっかり減りました。新しい出会いがあって、よかったです。この本、内容がすごく詰まっているっていうのが良いみたい。

Bird Design Letterpressさんの活版ワークショップも、好評でした。ここでテキンの音が響くとは。軽やかな音が正面入口からも聞こえていました。

そして、これも案外好評だった、豆本の1ページです。言葉は種田山頭火。青緑色の活字の文字と、ドライポイントの黒と、雁皮紙の味わい。そうだアクリルケースに入れてパッケージにすればいいんだと思いついて、1ページずつを販売します。会期中、よく聞かれたのが「常設はあるんですか?」という質問でした。私の豆本は、三省堂神保町いちのいち(瓶入り活版豆本2種)、三省堂池袋いちのいち(『雨ニモ負ケズ』とレーザーカット豆本、切手豆本)、東京堂書店神保町店(多種類あります)に置いています。本の絵柄の活版絵葉書と、山頭火は、東京堂書店で販売を開始しました。


2017年9月24日

新作ができました。まだ見ぬ小さなブックアートの世界へ

新作豆本『一千一秒物語』ができました。あんなに大量の雁皮紙を買って、たくさん整版して、大変な思いをして、紙はほとんど無駄にはならなかったけれど、本というものは非常にコンパクトになってしまう形式なので、販売品は12部のみ。まずは最初の2部が製本できました。あとは注文次第製本します。今回、アーティストとして非常に突き抜けた気がしています。表現方法、そして、それを実現する専門技術。見飽きずに楽しめて、小さくて、保存が効いて、しゃれている。本って不思議なものですね。価格は、かかった費用からの計算で今考えているところですが、紙の二枚貼り合わせ、革モザイク、純金箔押し、とものすごく高度なテクニックを使っていますが、実験的な立体紙ものの宿命として、あまり高くはできないかなと思っています。今回はフランス製の伝統的な金箔押し道具を購入しました。金沢の純金箔との使用感、すごく良いです。「直線と直角だけで美しい」とのデコールの先生の教えに倣って、2年かかってようやく直線で四角が押せたと思います。今回の本にかかった時間は、著作権者へのお話と企画から2年。レイアウトに4ヵ月。印刷には19日。文字印刷と絵の印刷の雁皮紙を二枚、紙の目を直交させて貼り合わせてプレスするのに9日。製本に3日。製函に3日。ふつうはできないと思う、ものすごく集中した時間でした。あさって26日から、三省堂書店1階で一週間のイベント「そっと豆本、ふわっと活版6」に出ます。まだ見たことのない、小さなブックアートの世界。伝統的な知恵を使いながらも、軽やかな新しい小さな本。見に来て下さい。






2017年9月6日

2017年9月26日(火)-10月2日(月)「そっと豆本、ふわっと活版6」のご案内です

「そっと豆本、ふわっと活版6」

豆本 豆本
読書の秋、神保町いちのいちCreator'sTABLEにて、豆本と活版印刷の展示販売会を開催致します。
会場には、Miniature Book Competition(本拠地アメリカ)3回受賞の赤井都による豆本作品と、Bird Design Letterpressによる活版作品とステーショナリーが並びま す。豆本と活版の深く歴史ある世界を楽しめるような作品、そしてギフトにも最適な商品を取り揃えて、皆様のお越しをお待ちしております。
同時開催の豆本ワークショップでは、オリジナルのアコーディオン折本の製本を体験していただけます。活版ワークショップでは、様々な場面でご活用いただける名入れオリジナルカードの活版印刷をお楽しみ下さい。
会 期 2017年9月26日(火)-10月2日(月)
会 場 三省堂書店 神保町本店 内 1階神保町いちのいち Creator'sTABLE(シーズテーブル)
出展者 赤井都、Bird Design Letterpress 協力:andantino、弘陽(三木弘志)

豆本ワークショップ 「小さなアコーディオン折本を作ろう!」
豆本 豆本 豆本
開始時間:①10時からの回、②11時30分からの回、③14時からの回、④15時30分からの回、⑤17時からの回 定員:各回2名 ・基本ご予約不要、随時受付(受付時間は毎日10~17時) ・お席を確保したい方は、神保町いちのいち神保町店へご連絡頂くか、店頭スタッフまでお気軽にお声かけ下さい。TEL.03(3233)0285営業時間10:00~20:00
・所要時間40~60分程度
・ワークショップ代 2,700円(税込)
 ※ご希望の方は、カッター作業を講師が代行しますので、初心者やお子様にも安心して取り組んでいただけます。作りやすい手のひらサイズの本です。
3種類の文章から1つ、数種類の表紙から1つ、さらに見返し紙を、ご自身で組み合わせお選びいただきます。本文紙をじゃばら折にして、両側に縁をノリでくるんだハードカバーをつけます。
活版印刷の過程で出た紙などを用いてコラージュし、世界に一冊だけのオリジナルのアートブックに仕上げます。
本文紙は、物語のイメージから、暗がりで所々光る紙を使用しています。

活版印刷ワークショップ オリジナルメッセージカード(化粧箱付)
豆本 豆本 豆本
活版イベント等で大変ご好評いただいているオリジナルメッセージカードの活版印刷ワークショップを行います。
・予約不要、随時受付(毎日13~19時)
・所要時間約20~30分程度
・印刷枚数 25枚
・ワークショップ代 1,620円(税込)
・カルタヴァレーゼの化粧箱付
ワークショップでは、お名前とワンポイントを入れたオリジナルメッセージカードを作ります。ローマ字名を大文字の欧文活字で組版させていただき、樹脂凸版のオーナメントを配置させていただいた後、手動活版印刷機を用いて、ご自身にて25枚印刷いただき、用意した化粧箱に入れて持ち帰っていただく形となっています。
様々な場面でご活用いただける名入れオリジナルカードの活版印刷をお楽しみ下さい。

>>「そっと豆本、ふわっと活版」公式ページ

2017年9月1日

豆本を作ろう ワークショップ情報2つです

2017年12月2日(土) 豆本特別講座 朝日カルチャーセンター千葉 はじめての豆本 詳細・受付はこちら10:30-12:00 小さな『ひみつ』を作りましょう。活版印刷されたアコーディオン折本です。
豆本
2017年9月26日(火)-10月2日(月)「そっと豆本、ふわっと活版6」展示販売とワークショップ「小さなアコーディオン折本を作ろう!」
開催場所: 三省堂書店 神保町本店 内 1階神保町いちのいち Creator'sTABLE(シーズテーブル)
開始時間:①10時からの回、②11時30分からの回、③14時からの回、④15時30分からの回、⑤17時からの回 定員:各回2名 ・基本ご予約不要、随時受付(受付時間は毎日10~17時) ・お席を確保したい方は、神保町いちのいち神保町店へご連絡頂くか、店頭スタッフまでお気軽にお声かけ下さい。TEL.03(3233)0285営業時間10:00~20:00
・所要時間40~60分程度
・ワークショップ代 2,700円(税込)
豆本

2017年8月22日

いい記事です。夏休みは豆本作りで決まり

2017年8月17日 朝日小学生新聞に掲載されました! 3面「自由研究 自分だけの豆本を作ろう」 豆本制作指導をしました。著書本『楽しい豆本の作りかた』にも掲載のじゃばら折本です。著書本も紹介されました。ひとくちに本と言っても、いろんな形で作れるんですよ。楽しい形で作ってみて下さい。
自由研究豆本自由研究豆本

2017年8月17日

じゃばら折本

本日の朝日小学生新聞で、豆本の作り方と、著書本が掲載されています。小学生でも作れる、楽しい小さな本を紹介しました。夏休みの思い出づくりに、手を動かして形を残してみて下さい。今しか作れないというものが、きっとできるはず! もし失敗した箇所があっても、後から見たら、それもいとおしく感じられるでしょう。それが手づくりの魅力なんです。
次のワークショップの内容も考えました。
豆本 豆本
2017年9月26日(火)-10月2日(月)「そっと豆本、ふわっと活版6」展示販売イベントで、豆本ワークショップを同時開催します! 
開催場所: 三省堂書店 神保町本店 内 1階神保町いちのいち Creator'sTABLE(シーズテーブル)
「小さなアコーディオン折本を作ろう!」
・予約不要、随時受付(受付時間は毎日10~17時)
・お席を確保したい方はご予約下さい。(受付開始までしばらくお待ち下さい。)
・所要時間40~60分程度
・ワークショップ代 2,700円(税込)
 ※ご希望の方は、カッター作業を講師が代行しますので、初心者やお子様にも安心して取り組んでいただけます。作りやすい手のひらサイズの本です。
3種類の文章から1つ、数種類の表紙から1つ、さらに見返し紙を、ご自身で組み合わせお選びいただきます。本文紙をじゃばら折にして、両側に縁をノリでくるんだハードカバーをつけます。
活版印刷の過程で出た紙などを用いてコラージュし、世界に一冊だけのオリジナルのアートブックに仕上げます。
本文紙は、物語のイメージから、暗がりで所々光る紙を使用しています。
新聞で紹介と同じ大きさ、同じ作り方のじゃばら折本です。内容は、文章とイラストが入って、ちょっと大人っぽいかな。文章と絵は私です。素材の選び方で、もっとかわいく作ることも、かっこよい方向に行くことも、できると思います。あなたなら、どんな本にしたいですか? お好みでどうぞ! 初心者さんでも、不器用さんでも安心の、あなたのペースで対面で一緒に作りましょう。本の街神保町の本屋さんの一角で、記憶に残るひとときをお過ごしください。

2017年8月14日

次の豆本制作とワークショップ

 先月作成していた活版豆本『ひみつ』は、豆本がちゃぽんに入って販売中です。
 さて秋に向けての新作『一千一秒物語』全集が、長い企画と準備の時間を経て、ついに印刷に至っています。まずは凸版の印刷から。刷り出したら、きれいに線も色も出てほっとしました。色の可能性に目覚めました。凸版でこれだけ細い線がカラフルに出るなんて、凸版とテキンとフランス製インクがすごい。紙の縁はグランジ感でよしとする。本の全巻を刷るまで、まだまだ先は長いです。一日で刷れたのは、2巻分。物語は全12巻。
印刷失敗でローラーに巻き込んだりした「ヤレ紙」が出てくるけれどこれがアートに見えるので、9月の三省堂での展示販売ワークショップイベントでは、ヤレ紙を使った製本ワークショップにしようかなと考えています。






2017年7月19日

豆本がちゃぽんTokyo第39集に参加します

10年以上、100円で続いている豆本がちゃぽん。10年をまとめた冊子も好評販売継続中です。もうすぐスタートする回に、主催の私も、久しぶりに作品参加します。100円で数を作るチャレンジです。
My Secretという豆本を、以前に作りました。とても好評だったんですよね。これの日本語バージョンを、ふと思い立って作ってみました。
まずは組版。持っていた活字でできました。すり減った活字ですけど、今回はこの味わいでいいってことにしました。

紫と青のグラデーション印刷にしました。豆本ゆえ文字が少ないので、インキは少ししか使いませんでした。

ヘラで筋入れして折ってから、天地化粧裁ちしました。

表紙と本体を糊で接続して、革の小片を糸でつけて、糸で本をくるりと巻く形に仕上げました。

カプセルに入れて、いざ旅立て豆本!

2017年7月5日

活版Tokyoに『雨ニモ負ケズ』が出ます

7/14,15,16「活版Tokyo2017」が神保町三井ビルディングテラススクエアで開催されます。活版豆本『雨ニモ負ケズ』が弘陽のブースに出ます。販売も予定していますし、活版Tokyoと同じ建物の中で、弘陽と活版塾による活版印刷展示会があり、組版実物が展示予定です。実物は、迫力がありますよ。天地寸法約7cmの小さな本『雨ニモ負ケズ』は、私が企画・挿画・デザイン・版元となり、整版と印刷を弘陽の三木さんにお願いして、形になった本です。ちょうど去年の七夕の日に印刷をしていました。暑い日だったなあ。


今頃の時期は、毎年、レイアウト作業をしています。秋に新作を出そうとすると、今がデザイン時期です。ペース配分を考えると、そろそろ今年も新作のデザインを確定して、版を作って印刷を始めないと。どの絵をどこにどの大きさで配置して、何色で刷るかとか、そんなことを、パソコンで仮組してプリントした紙を見つめて、あれを右へそれを左へ、ひたすら考えています。ひらめきと、気づきと。本当にそれでいいの? と別の可能性を想像してみて。次の作品、稲垣足穂の『一千一秒物語』全集は、数社からいろいろな版や挿画本で出ている作品なので、オーソドックスなもの、好きなイラストのもの、読者が好みで選べる作品です。なので、私は私を貫こうと思っています。この話にこの絵は自分のイメージと違う、と思う方は、他の版元を選んでいただければいいのです。

2017年6月23日

夏至に至ったこの頃

パソコン作業です。レイアウトをしています。今度の新作は、函から逆算して本の寸法を出して、レイアウトをしています。函はボール紙で76mmのミニチュアブックの規定を超えないように試作を作り、表面に方眼紙を貼ってデザイン画を描きました。こんなかんじでいけるだろう! というところで、本文の天地寸法をはっきりと固めて、デザインに着手しています。去年の12月から描きためたスケッチブックをいったん全部スキャンして、文字と一緒にはめています。配置が決まったら、一部は凸版で、一部は凹版で、一部はパソコンで、版を分けて印刷するつもりです。最終的には、何版か印刷を重ねたレイヤーの本文紙を作りたい。函は革と、染色作家石原実さんのマーブル紙を使用します。本文紙は雁皮紙メインのコラージュのつもりです。石原実さんのマーブルとは、一番最初に小津和紙の手すき紙四人展で出会い、『川に行くまで』で使い、『1000 Artist's Books』『手作り製本の本』にも掲載されています。再び、マーブルのイメージの本なので、石原さんの展示に行きました。今度の本は、稲垣足穂の一千一秒物語の全集。これまでにもいろいろな装丁やイラストの本が出ています。稲垣足穂の著作の使用許可を直接電話でお願いして、見本としてアリスを送って、快諾されてから既に2年。この間、池袋で伝統金箔押しのレッスンを受けてきています。名前負けしないように、私はクラシックバレエで遊びながら、舞台鑑賞しながら、軽くて複雑なものを作るつもりです。

2017年6月7日

絵描きと踊る日々

 「そっと豆本、ふわっと活版、ほっこりお茶vol.3」においでいただき、ありがとうございました。ワークショップ、展示販売とも盛況で、活版作品も豆本も絵も売れました。作品が評価されること、会いに来てもらうこと、何よりも嬉しいです。本当にありがとうございました。
 さてLe Petit Parisienでの豆本ワークショップが今週末に控えています。ご予約満席、キャンセル待ちです。皆で、楽しいものを作りましょ!
 「小さな本の教室」は、7月までに少しずつ空きがありますので、夏前の今がチャンスです。詳しくはこちら
 次のイベントは、9月末の三省堂、神保町いちのいちでの展示販売になります。それまでの間に、しっかりと作っておきます。
 このところの最近は、シャセリオー展を最終日前日に見て、上野公園でそのまま昼寝したりしていました。外で寝るのって気持ちいいですよね。いい気候です。ずっと、人の絵を描いています。アナトミー(美術解剖学)の図や、ダヴィンチの模写など。カロの銅版画の街並みの模写。結び目の模写。ハッブル宇宙望遠鏡の写真の模写。そして自分は、クラシックバレエのレッスンをたくさん受けて、人間の動きを考えつつ、副産物としてナイスバディになってきました。バレエの舞台もたくさん見ています。68歳でトウシューズをはいてジュリエット全幕を踊る森下洋子さんに感動しました。そして、机の前に戻っては、小さな試作をちびちび作る日々です。傍目からはどこに向っているのか、ぜんぜんわからないような日常ですが、私の今のテーマはBODYとLOSSです。作っているものは、稲垣足穂の一千一秒物語です。きっと、あっと驚くものになります。方向は定まりました。あとは絵を描ききって、作るだけ!

2017年5月16日

四角を三角形にするだけでおもしろいアートブックが作れる

豆本
2017年6月10日(土)15:00-17:00 曳舟の書斎 Le Petit Parisien で、8名様限定の製本ワークショップをします。本棚に囲まれた小空間で雰囲気は抜群です。予約受付始まりました!
お電話などフェイスブック以外での受付もしてくれます。13時open 定休は水曜から木曜に変更になりました

2017年5月9日

手づくりの力

一昨日の豆本ワークショップ、素敵な豆本が、おひとりずつの手の中で一冊ずつ生まれてゆきました! 「そっと豆本、ふわっと活版、ほっこりお茶 vol.3」名古屋丸栄8階茶道具売場での展示販売は、5月17日まで続きます。おかげさまで、豆本も活版も、大変な好評をいただいています。この機会をどうぞお見逃しなく。
豆本workshop

2017年4月28日

『おさんぽ神保町』に紹介されました

『おさんぽ神保町』は、神保町の楽しい情報満載で、なんとこれが無料という冊子です。私も神保町に行くたびにもらって、これまで知らなかった本の街のことに少しずつ詳しくなってました。だからそこから取材依頼が来た時には、嬉しかったですね! 最新号の『おさんぽ神保町』No.23(2017.5.1発行)に掲載されました! p.7「教えて! あなたの推し本・推し書店」に登場しています。わたしの推し本、ぜひ読んでみて下さい。
そして昨日27日から「そっと豆本、ふわっと活版、ほっこりお茶vol.3」、名古屋で始まっています。今週末はさっそく活版ワークショップがあります。皆さまのお越しをお待ちしています。

2017年4月24日

「そっと豆本、ふわっと活版、ほっこりお茶3」の出品一覧です

言壺からの出品
『雨ニモ負ケズ』 フランス装
『雨ニモ負ケズ』 ハードカバー2冊組
『雨ニモ負ケズ』 未綴じ
赤い鳥2号
赤い鳥3号
赤い鳥4号
赤い鳥5号
『本』
レゾネ
『豆本づくりのいろは』
『Alice in Wonderland』
『寒中見舞』
『Spiral』
「種田山頭火」和紙はがき

原画『一千一秒物語』オリーブ
原画『一千一秒物語』びんの口
原画『一千一秒物語』星を取る猫
原画『雨ニモ負ケズ』ツユクサ
原画『雨ニモ負ケズ』小岩井
スケッチ 銀河鉄道 雲の鳥
スケッチ 銀河鉄道 岩手山


弘陽、andantinoからの出品
活版メモケース
活版メモ
活版いっぴつせん
活版コースター
活版童話しおり
ぽち袋
カード

これに加えてBird Design Letterpressさんからの出品があります!
弘陽さんは、NHKの夜のドラマの中で、活版印刷所で活字を拾うシーンに登場されました! これをきっかけに、活版ってなんだろう、と活版が広まるといいですね。
展示販売は、名古屋丸栄8階茶道具売場で、4月27日から5月17日までの開催です。

2017年4月21日

活版印刷で作る小さな本

小さな本を手で作りたい人が最近増えていて、教室のご予約はすぐ埋まっています。9月頃から土曜の開催回数を増やせればなと考えています。考えてみれば、5月はゴールデンウイーク、8月は夏休み。10月は私が香港アートブック招待。いつも何か予定が入ってしまうといえばそうなので、やりたいことは、あまり先伸ばしにせずに、忙しくてもどんどんやってしまうといいと思います。手で本を作る楽しみを、ぜひ。名古屋のワークショップへ、観光しがてらでも。月木で受け付けているプライベートレッスンでも。自分の一冊を持つというぜいたくを、わがものにしてみましょう。

そんな合間に美術館めぐりを続けていて、これまでのところ上野の「雪村」展が一番感動しました。墨と金だけで描かれていて、近づけばふわっと細部が見えてきて、遠くからだと大きな風景で、色はいくらでも想像できる。にじんだりぼけたり、描かれていないところがよくて、現実そのものではないものになっているから、永遠の命が宿っているかのようで、見飽きない。雪村は禅僧でした。坐禅体験に先月行ってみましたが、坐禅とは何か得ようとするのではなく捨てること、と言われて、はっとしました。雪村の水墨画も、捨てている。捨てていて、いい。そんなことを思いました。

2017年4月11日

春の美術館めぐり

思いの出口を探して歩き回っています。ウォーキングを兼ねて。
東洋文庫 閲覧室と、「ロマノフ王朝展」。モリソン文庫が良い本棚風景で、いいもの見た! 8157歩 
三菱一号館美術館「オルセーのナビ派展」。「平面は色のアッサンブレ(集合体)」という表現にぐっときました。 8782歩
東急bunkamura 「これぞ暁斎!展」 墨一色でも、水が入るとグレーが生まれて、インクの印刷とは違う濃淡の深さがうらやましい。淡色の赤や緑、金が少し彩りとして入るのも素敵でした。5483歩
千葉市美術館「ウォルタークレインの本の仕事展」 3時間いました。絵だけでなく、刷り、組版、色など、いくらでも見どころがあって、改めて、「本って素敵だなあ」と思いました。ラファエル前派の絵がとてもロマンチックで、いろんな人生を感じられるから、本っていいんだなあ、と。 6855歩
まだまだ美術館めぐりは続きます。自分の表現を探して……。

2017年4月4日

豆本と活版の展示販売、そしてワークショップのお知らせです

「そっと豆本、ふわっと活版、ほっこりお茶 3」
会 期 2017年4月27日(木)-5月17日(水)
会 場 名古屋 丸栄 8階 茶道具売場内 アートすぽっと(名古屋市中区栄3-3-1)
出展者 赤井都、Bird Design Letterpress 協力:andantino、弘陽(三木弘志)

風薫る五月、今年も8階茶道具売場にて、豆本と活版印刷の展示販売会と ワークショップを開催致します。会場には赤井都による豆本作品と、Bird Design Letterpressによる活版作品とステーショナリーが並びます。繊細な技術による作品と、特別開催のワークショップをこの機会に是非 お楽しみ下さい。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

4月29(土),30日(日) 活版印刷ワークショップ オリジナルメッセージカード
お名前とワンポイントを入れたオリジナルメッセージカードを作る活版印刷のワークショップを行います。活字組版にてお名前をローマ字大文字で組版し、樹脂凸版のオーナメントを選んで配置した後、手動活版印刷機を用いて、ご自身にて25枚印刷いただき、用意した化粧箱に入れて持ち帰っていただく形となっています。インキの転写具合により、一枚一枚表情が変わる活版印刷の面白さと美しさを是非お楽しみ下さい。
印刷枚数 名刺サイズ25枚(カルタヴァレーゼの化粧箱付)
印刷用紙 ハーフエアコットン、ハーフエアコルクより選択
所要時間 20分~30分程度
価格 1,620円(税込) 「Macchaカップ」での呈茶付
受付方法 会期中、会場にて随時受付けいたします。

5月7日(日)豆本ワークショップ 「雨ニモ負ケズ」を豆本に
豆本workshop
宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』を豆本にします。活版印刷した本文紙を使用し、切って、折って、綴じるという、製本の基本作業を丁寧に行い、フランス装の本に仕立てます。何度もめくって楽しめる手のひらサイズの本ができます。縦7.5cmの中に、文章も絵も入っています。
開始時間 10:00~ 11:00~ 13:00~ 14:00~ 15:00~ 16:00~ 17:00~ 所要約一時間
講師料、教材費、道具貸与込、「Macchaカップ」での呈茶付 3,240円(税込)
受付方法 開始時間に合わせておいで下さい。15分くらい遅れても参加できます。参加者多数の場合、次の回までお待ちいただく場合があります。予約優先(電話番号052-264-5387 電話受付10時から19時まで)ご予定がお決まりでしたら、電話一本でお席確保できます。

2017年3月16日

豆本が買えるお店はこちらです

 私の豆本は、全てが手作りで、たくさん作れるわけではないので、限られた書店さんにだけ置かせてもらっています。ホームページでも作品写真を掲載していますが、豆本実物は質感があり、サイズも手の中で本当にこの大きさの本なんだ、と実感していただけるので、実物に勝るものなし。ページのめくり感や展開など、写真では説明しきれないところは多いです。立体ですから。やはり現物を見ていただくと私が作っている豆本がなんなのか一番伝わると思います。神保町すずらん通りの東京堂書店に納品しました。委託一覧はこちら


 ぶらりとお立ち寄りいただいて、実物を見てみて、もし気に入ったらその出会いをどうぞ御大切に。
 『雨ニモ負ケズ』ハードカバー製本のようすはこんなふうに、コツコツとやっていました。1月末頃から撮りためた写真です。この間に、たくさん遊びもしてました。充実の時間でした。







2017年2月28日

革装の洋古書と暮らす3

に提案をするまでに二週間くらい。オイルや薬品を取り寄せるのに10日くらい。自分の本で試してみて、観察。そしてついにLe Petit Parisienでの本の保全です。
 ここの本の革表紙が傷んでいる原因は、一番に乾燥だろう。オーナーさんの意向としては、本はできるだけ現状の形で読みたい方針。ということは、傷んだ革を元に戻す方法はないので、予防しようと考えました。傷みがひどい数冊の本には今は手をつけず、まずは今大丈夫そうに見える大多数の全体を予防することを目的にして作業しました。

 革が表紙に使われた本をピックアップして集めました。それを、HPCを塗るもの、塗らないものに仕分けしました。粉が出るほど傷んだ革には、HPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)のアルコール溶液を塗りました。セルロースが革の間に浸透して、革を強くしてくれます。どの本に塗ったか、後でわかるように、メモを取ってあります。ここの本は、すばらしいことに、既にオーナーさんの手で蔵書リストが作られているので、そのリストに、保全の記録を記入しておいてもらいます。


 その後、全部の本の革部分に、本の革用に定評のある良質の保革油を塗りました。イギリス製です。油の浸透に一日待ちます。

 翌日、再び行って、空ぶきをして余分なオイルを取りました。そして、アクリルポリマーのコーティング。空ぶき。これで、この状態で時間を止めてくれると期待してます。


 私の特殊なスキルが、思いがけず実践で役立って、社会貢献できました。中野の個展でお客様から「こんな所があるから、行ってみて」とショップカードをいただいて、足を運んでみて、本棚に惹かれてスケッチを始めた、この書斎。古本屋さんの本棚と違って、一個人の本棚というところが、佇まいに惹かれた理由かと思います。スケッチに通ううちに、触れた本の背表紙が壊れました。驚いてよく見れば、あっちもこっちも、傷んでいた。その時にぽろりと背表紙が壊れた本も、これでついにまた読める形になりました。何度も通ってわかったけれど、曳舟で人が集まる場所になっていて、おもしろい空間でした。その空間の背景にある本棚は、雰囲気や話題の要です。本にはこんな利用方法があるんだなと感じました。今後、ものによって、和紙修理が必要な本がありそうです。温度湿度は前から見ていただいています。夏に向けての紫外線対策をお願いして、ひとまず私の手作業は終了です。

2017年2月21日

フランス装の豆本を作りました

日曜午後は、朝日カルチャーセンター千葉で、『雨ニモ負ケズ』の豆本を皆で作りました。楽しんで手を動かして、すてきな豆本ができました。本の作り方も同時に学んだので、これからご自分の本を作っていく楽しみもできました。ありがとうございました。私は、人を喜ばせるのが仕事なんだなと感じました。
製本と印刷の工程は、動画でご覧いただけます。
同じ印刷でハードカバーに仕立てた豆本は、東京堂書店神保町店と、三省堂書店池袋店いちのいちで販売しています。

2017年2月18日

紹介されました

コミュニティー・ペーパー「行徳新聞」(第1886号)「いちかわ新聞」(2017/2/17 No.670)の「顔 ひと」欄に掲載されました。このぺーパーは市川行徳エリアで無料ポスティングなどされています。ありがとうございました! 記事には、どうして小さな本を作ってるの?など、バックグラウンドの内容をしっかり入れていただきました。いろんな世代の方が読むので、そこがきっとまず知りたいところですよね。小さな本への夢がふくらみます。「ワクワクが止まらない 豆本の世界へようこそ」
行徳新聞"

2017年2月13日

革装の洋古書と暮らす2

 目黒区民ギャラリーでの第8回東京製本倶楽部展は無事に会期終了しました。たくさんの方においでいただき、ありがとうございました。明日から京都で始まります。
 そして私と一緒に『雨ニモ負ケズ』豆本が作れる、千葉のワークショップは16日木曜まで受付予定です。この機会をお見逃しなく。

 さて、粉が出るほど傷んだ革を補修するため、HPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)を薬局で取り寄せ購入し、一日かけてエタノールに溶かして、塗布しました。私の所有本で、既に他の部分も傷んだり、いろいろある本に、練習台になってもらいました。結果、塗ったことでとても良くなったことを実感しました。セルロースの薄い皮膜ができて、強くなったかんじ。粉ももう出ません。こんなに変わるとは!


 さてHPCが乾いたので、他の本も一緒に、SC6000を塗りました。アクリルポリマーのコーティング剤で、空気中の窒素や酸素の影響を受けにくくなるので、革が長持ちします。うちの本棚だと、3年で革表紙が何もしなくても勝手に傷んでしまったので、これは必要だろうと思いました。SC6000はNYからの通販もできますが、田村書店の2階で手軽に買いました。空ぶきして、これで、自分の本のお手入れはひととおり終了しました。これで練習が済んだので、このあと、人様の御蔵書をお手入れさせていただく予定です。



 そして、読書。ポショワールの挿絵が入った仮綴じ本『青い鳥』を読み始めました。買ったすぐの夏は、結局忙しくて読めなくて、今。でもその間にフランス語力が上がっていたみたいで、対訳本を傍らに置いたら、辞書を引く必要もあまりなく、意味がわかります。子供のせりふ中心ですから簡単です。楽しいです。お金持ちの子供を見つめる視線が身につまされます。読書スタイルは、手袋をして、そして本は120度に開く書見台に置いています。仮綴じ本は糸が細いので、しっかり読書したら切れそうなので、120度までが安全かと。

2017年2月6日

第8回東京製本倶楽部国際製本展「吾輩は猫である」

豆本個展
会 期 2017年2月8日(水)-2月12日(日)10:00-18:00(12日16:00まで)
会 場 目黒区美術館 区民ギャラリー
豆本個展
会 期 2017年2月14日(火)-2月19日(日)11:00-18:00(14日13:00から、19日17:00まで)
会 場 京都市国際交流会館 姉妹都市コーナー展示室

  私の作品は『航海記』特装版と『雨ニモ負ケズ』特装版の2点の展示のみで、販売はありません。会期中、製本ワークショップやギャラリートークなどが予定されています。詳細は主催 東京製本倶楽部ホームページをご覧ください。
私は2/9木・2/10金、10-14時に会場にいます。

2017年2月2日

豆本の一回講座をやります

皆で同じものを作ります。平らな紙が自分の手の中で本になっていくおもしろさを味わって下さい。印刷した本文も表紙も活版印刷で、本物を使用するぜいたくな製本体験にもなります。

2017/2/19(日) 13:00-15:00 朝日カルチャーセンター千葉
宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』フランス装を作りましょう。
公開講座 はじめての豆本 詳細・お申込みはこちら
写真

2017年1月30日

革装の洋古書と暮らす

 19世紀後半から20世紀初め頃の、洋古本をほんの10冊程度所有しています。旅行や古書市、譲渡、インターネットなどで少しずつ集まってきたもので、表紙のデザインや素材、バランス、色味、組版や印圧、紙の素材や見返しなど、持っているからこそ、その時々で気づくことが勉強になっています。
 さて最近、本たちを見ていたら、あれっこの革、前からこんなに粉っぽかったかな? とドキッとしました。うぅーん、買った時どうだったか思い出せない。良くない変化に早めに気づくには、日ごろの観察が大事だなと。写真で記録を取っておけば、前に遡って見比べることができます。
 うちの保存環境は、小さな家なので劣悪です。本の素材は、温湿度の変化が多いと呼吸が激しくなって老化が速まるので、大きな空間で温度低め湿度50%程度で一定が良いようですが、うちは夏暑くて冬寒くて結露しています。そのため、アーカイバル仕様の保存箱を揃えているのですが、本を見たいので、いつのまにか、かなりの本が保存箱の外に出てきてしまっていて、保存箱の中にはたいしたものが入っていない現状。これは……。本の保存と、利用との、両方を考えないとうまくいかないということを実証してしまいました。
 本の保存を優先すれば、本は保存箱に入れておくのが良いのですが、そうすると本が見えなくなってしまう。見たい時にその本を箱から取り出せばいい、というんじゃなくて、本棚に本をいつも見ていたい気持ちが自分の中にあるんだなと気づきました。「本の背表紙を眺めること」が、今現在の私の、本の利用の大きな目的になっているみたい。
 こうしたことを考えているうちに、「本って何」と疑問に思いました。一月にLe Petit Parisienの本棚に惹かれてスケッチに通ったのは、それが美しい売れる本ばかりを集めた古本屋さんの本棚ではなく、一人の蔵書だから。本棚写真集も見返しました。朽ちかけている、図書室の中の革装本。一律にグラシンをかけたフランスの古本屋さん。

 博物館で所蔵しているような貴重書なら保存最優先としても、私個人が買える程度の古本は、発行部数が多く、手元に来た時に既に傷みが来ているので、私があと20年間くらい日々眺めて閉じ開きすることを、本の利用の目的に掲げることにしました。うちに来た本はあと100年の長生きはできないかもしれないけど、本の保存はもっと大きな家に住んでいるコレクターさんに任せた! それよりも私が本を活用して、ここから見て得たものを今後の製本や制作に役立てることが目的。小さな家だけど、本を開架で置いておく、としました。
 革表紙の劣化については、私のノートには、「傷んだ革を元に戻す方法はない。予防が大事。保護ジャケットをかける。保存箱に入れる。傷んだ革にはHPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)の無水エタノール溶液を塗る。塗ることでさらに傷める場合もあるので注意。良質の保革油を少量塗り、半日以上置いて空拭きする。フランスの博物館が開発した靴墨タイプのは失敗作なので使わないで。保革油が長期的に酸化するという意見もあるが、20年前に塗ったものが良い状態である。」と記されています。ところが、これは5年前に取ったレッスンノートで、昨日先生方に聞いたら「アメリカではもう保革油を塗らなくなった」という情報を知りました。うぅーん。そして、保革油を塗った50年後はまだ誰も見届けてないわけです。
 やはり、本の利用の方針を立てないと、一歩も先へ進めないと思いました。私の本の場合は、背表紙を含めて本の中身をあと20年美しく眺める、という目的を私一人が決定すれば、それでいいわけなので。革の状態を再確認して、保革油を塗ることにしました。しかし私のやり方が正しいかは、自信がないです。あくまでも自分の蔵書だからできるというものです。
 まずは、本屋さんからついて来たビニールやグラシンは外しました。それだけでも、気づかなかったことに気づきました。背が固い本は、120度以上開かないほうがいいので、書見台を使って作業してます。

 マイクロファイバーの布で、保管庫から離れた場所でクリーニングしながら状態を見ました。埃は酸化の元なので除去。本棚も拭きました。

 かびっぽくなっていた紙函があったので、アルコール塗布で、かびの根を断ちましたた。

 見た目が悪く外れている部分は、それ以上剥がれたり欠損したりしないように、JadeRでくっつけました。JadeRはもし取り去りたい場合は水で除去できる可逆素材です。他の部分につけないように注意してスパチュラで少量差し込んで、ヘラで抑えたら、私の所に来た本の価値が上がったみたいに見えたけど、その結論は50年後に。


 マーニーの保革油を塗り、本を立てた状態で乾かしながら浸透を一日待ち、その後、空拭きしました。ツヤっと美しくなったと思います。20年後どうなっているかわかりませんが、その他の条件も悪いので、これの影響だと特定もできないんじゃないかな。私にとっては、美しさと愛着が増しました。


 そして、気になるものにはグラシンをかけました。傷んで粉っぽい赤い背革の、粉が周りを汚さないように。また、良い状態の本が、手で触って見ているうちに傷まないように。

 HPCは取り寄せ中なので、粉が出ている革に実験的に塗ってみようと思っています。だめならこの背革は交換できるし、どのみち交換しなければいけないくらいの状態だし。続きはまた、一か月後くらいかな。

2017年1月25日

『雨ニモ負ケズ』ハードカバー製本工程

集中できる時間に、少しずつやっています。一気にやろうとすると無理なので、コツコツと、長距離走なペースです。使う道具は、定規や、手作りのジグ(この本の寸法ぴったりに切ったボール紙)などです。前小口を化粧裁ちしました。

表紙ボールも手で一辺ずつ裁断しています。既に何度も作っている本の作り足しになるので、設計はもうできているから、同じように作るだけ。「同じように」というところで飽きが生じると完成しないので、飽きないように、小ロットで作っています。前作った本の著者本を取ってあって、その実物を見ながら寸法を測ったりして確認しながら作っています。昨日は、表紙ボール裁断の途中まででした。手仕事をしていると、目の前に物だけがあって、言葉は要らない気分になります。ですが思い出した言葉があります。「コツコツやっていればいつかは終わる。いつ終わるかが問題だが」byコージ先生 いえ、あまり自分を追い込まずにコツコツいきましょ。手仕事にワープってないから。

2017年1月22日

豆本がちゃぽんvol.38

香港から来たティアナさんは、ホテルで朝までかかって豆本を仕上げたんですって。一つずつカプセルに詰めて、4作家の豆本を均等に混ぜ、がちゃぽん機械にセッティングしました。

そんなふうにして、東京堂書店神保町店で、国際色な豆本がちゃぽんvol.38始まりました! 有隣堂厚木店は、明日以降の開始予定です。レトロなマシンから、100円でどれか一冊が出てきます。

東京堂には私の豆本も並んでいます。受賞作はあと一冊、フランス山羊革のアリス豆本、活版印刷の雨ニモ負ケズ、レーザーカットで本文紙を切り抜いた本などあります。



カフェが混んでいたので、放心亭に行ってランチしながら、香港と日本の豆本交換をしました。お互い作るものどうし、作品を見ればもう通じ合うみたいでした。夢のようなひとときでした。

三省堂書店いちのいちでも、お買い物。そういえばここにも、赤い鳥1号きらきら星の残りわずかな一冊がありました。

そのあと、うちで箔押しワークショップを受けて、さすがに眠いと言いながらも、まだまだ買い物や食事へ。いちごが好きで、日本に来て毎日食べているんですって。うちではいちご大福でお茶しました。

2017年1月21日

大寒の頃

 この2週間、あちこちへ出かけていました。猫がなわばりをぐるっと巡回して、さらにちょい遠くへ足を延ばすみたいに。出没箇所は東向島珈琲店、Le Petit Parisien、ex.、朗文堂、冬青、リトルハイ、みずのそらなどです。教室をしたり、箔押しレッスンで教わったり、香港からのお客様と世界堂、などもありました。脳が活性化している時は、時間を長く感じるのですって。この2週間は、長かったですね。え、まだ1月なの? というくらいに。

 ほしおさなえさんの『活版印刷 三日月堂』は、すごく売れているそうですが、以前から活版印刷のプロたちの間で「作者はほんとに活版のことをよく知っていて書いているよ~、どうしてこんなに書けるのかな~」と話題でした。私は文学フリマで作者さんから活版カードを買ったこともあります。12月、中野での個展に、NHKテレビを見て、活版の紹介に惹かれて来た方がいらっしゃいました。この本を読んだけれど、小説なので当然説明は文章だけでなされているので、活版の実物がイメージできなくてと、展示を見て行かれました。その時に、もし私が既にこの本を読んでいれば、「あのシーンは……」ともう少しお話できたかもしれませんが、遅ればせ、今、読んでいます。中央線で、阿佐ヶ谷から西荻窪まで、涙がこぼれないように上を向いたきり。印刷物がどんなふうに仕上がったか、その印刷への職人的苦労がどんなにあったか、あまりにも私はリアルに想像できてしまうために、「印刷ができました」というシーンで、毎度毎度、涙腺決壊しそうになっています。変な人です。2月にシリーズ第二弾が出るそうです。

 製本をしていると、本はいろいろな作業の対象物なので、どこに何の手入れが必要かといった視点でつい見ていました。単に物として本のことをじっくりと見てはいなかったなと気づいて、古本のスケッチをしていました。古い本は、あちこちが擦れていて、その傷はきっと一つ一つ別の時、別の場所、別の手の中でできてきたものだと想像すると、長い時間、いろいろな空間を旅してきた石のよう。絵はいつもの0.5mmの黒いペンで描きました。原画そのままでもいいけれど、そのうち、スキャンして縮小して凸版にして、何かにしてみようかな。

 さて東京堂書店神保町店と、有隣堂厚木店で、23日から豆本がちゃぽんが始まります。今回はなんと、香港からの豆本アーティストの来日参加もあります! 前回来日の際、豆本がちゃぽんをして、はまってしまって、香港に帰ってから友人を集めて豆本がちゃぽんを始めたティアナさんの豆本も入ります。一回100円で、何が出てくるかはお楽しみ。今回の豆本がちゃぽんは国際色です。香港の豆本がちゃぽんは4周年を迎えて、記念冊子を作ったそうです。一文、寄稿しました。豆本手帳も出ましたね。

 少しずつ手を動かしています。ご予約を各方面からいただいている『雨ニモ負ケズ』二冊組ブックシュー入りは、ここまで来ました。綴じ終わり、天染めが終わり、しおりひもと花布がつきました。このあと、ボール紙をカッターと定規で裁断する、ちょっと力と集中力の要る作業に入ります。2月の完成を目指してきましたが、この後の作業工程はまだまだ長い……。集中します。

2017年1月13日

古い洋本が壊れないように閲覧する方法

新年の初仕事は、本に優しくする贈り物です。大きな古い洋本に当てはまる話ですが、一般に、本を閲覧する際、本の表紙は180度開くことが可能です。ただし、本を動かしてみて、背表紙と本体の紙との間に隙間がなく、くっついている本の場合、本の表紙をぱかっと開いて手を離すと、本の厚みがあるために、この状態では表紙を180度以上開いたことになっています。下写真で、本の表紙が一直線ではなく、それ以上開いていますよね。本の厚み分、余分に開いています。すると見返しや表紙に負担がかかり、この部分が切れてきます。紙が重いほど、厚みがあるほど、利用が頻繁で愛読されるほど、症状は進み、紙にひびが入り、見返しが切れ、ついには、表紙が取れてしまいます。(20世紀以降の本は、この問題に対して進化して、だいたいは、本の背と本体の間に隙間を作るように設計して製本しているので、こうした危険はありません。)

これを回避するよう、本の展示に使うような、本を160度くらい開く閲覧台を設置する方法もありますが、おおがかりですね。
そこで、本に優しくする、簡易的な台を作りました。開いた表紙の下に、本の厚みに応じて、一枚なり二枚なり、高さ合わせになるものをかましてやれば、表紙は180度以上開かず、これまでとほぼ変わらない感覚で、本を閲覧することができます。これで安心です。見るたびに本が壊れていくのは嫌だし、かといって本を開かないでいるなら、何のために本を持っているのかわからないです。


この台は、スチレンボードを芯にしました。たとえば木の板のような重いものを芯にすると、万一取り落とした時に本を傷めることになりかねませんが、軽いものなら安心だし、取り回しもしやすいので利用されやすいはず。本の紙の重さ以上の力はかからないので、これくらいで芯の強度は十分だと考えました。


外側は、革で包みました。本の革表紙に触れるものなので、革かネルか布か、と考え、埃がつきにくく、使うのが楽しくなりそうな、革にしました。折り返し部分と、縁をすきました。「不思議の国のアリス」で革すきを鍛えられたので、私にとって革すきはもはや瞬間芸です。

裏は、包んだままの革の厚みが不ぞろいですが、そんなに厳密さが必要なものではないので、使う楽しさ重視で。
表には装飾箔押しを施しました。クラシックな古典柄のワンポイントを、フォイル箔で。あくまでも本の引き立て役として控えめに。箔があると、薄暗い書庫でも存在感を発揮するので、見つけやすいし、ちょっときれいだから使おうという気に利用者がなってくれるだろうと思います。この書斎の場合、美しくないと、見える場所に置いておかれないだろうし、訪れる人も手に取ってくれないだろうと。そうした意味で革と箔押しで、ちゃんと使ってもらって、本に優しくするように、と。この台はLe Petit Parisienにあります。皆さんの近くにもしこんな古い本があったら、何かを高さ合わせにかませて、本に優しくしてね。

2017年1月11日

2017年よろしくお願いします

 新年の抱負「今だからできることをしよう」
 冬休みの間に、パソコンを新しくしました。
 『For You』特装版は完売しました。ありがとうございます。『雨ニモ負ケズ』特装版はご予約済みです。『月夜のまひる』はあと一冊、東京堂書店にあるのが最後の一冊です。『航海記』ケース入り、ケースなしとも、一冊ずつ、東京堂書店と通販にあります。『雨ニモ負ケズ』ブックシュー入り二冊組は、予約分を製本中です。応援してもらっていることを感じてありがたいです。活動が続けられます。
 そして道具の手入れとカスタム。デバイダーを、印をつける道具として使っています。買ったままだと、先端の形状が製本向きではないので、やすりで削って細くしました。革の上で、びーっと力いっぱい引いて、革が切れなければOK。そして、革に点を打って、革に穴が開かずにくぼむなら、OKです。写真は、手前だけまずは削ったところ。二本の脚を同じ形に整えました。