2019年2月25日

19世紀の壊れた本を直す

Le Petit Parisien の蔵書の修理と保存 第3回 2019年2月24日(日)14時~18時 参加5人+赤井+オーナー

去年に引き続き、壊れた本の修理を行いました。修理した本は3冊です。去年も参加してくれた方の熟練の手が頼もしい! 皆さん、プチパリが初めての修理経験でした。プチパリの蔵書は、古いものは16世紀からで、主な蔵書は19世紀後半から20世紀の本です。ミゾのない時代の本は、見返しが切れたり、表紙が取れたりして壊れやすい構造を持っていて、プチパリに来た時に既に壊れかけていた本が多いです。頻繁に読まれるものを優先的に直して、本を開いた時に120度くらいに固定できる書見台と、表紙の下に差し込んで表紙を支えるリーブルシュポールを用いて読書しています。

修理した3冊
 革表紙のミゾが切れかけて、角が傷んだ本。これは、アクリル絵の具で和紙を色染して、革の色に近づけたものを貼って修理しました。
 背表紙が取れてしまった本。これは、AF紙でクータを入れて、クータの縁が見えるのでアクリル絵の具で色染めして貼り、表紙をその上に戻して貼りました。
 見返しから切れてしまった本。裏見返しは失われていました。これは、AF紙でクータを入れて、表紙を戻し、両見返しの内側から和紙を貼りました。

本のクリーニング
 二人の手で、本を数冊ずつ書庫の外へ運び、「べっぴんさんクロス」でクリーニングしました。埃は酸性物質で本の大敵です。埃が入り込まないようにしっかりと本をわきで締めて、本の小口をクロスでぬぐい、表紙、見返しのミゾも撫でて汚れを落としました。見違えるようになった本もありました。寒い中、後半はコートを着ての作業! 全部はとても終わらないので、真ん中辺りの数段の本をきれいにして、続きは次回へ持ち越し。

SC6000塗布
 去年修理した本と再会しました。アクリルレジンとオイルがブレンドされたSC6000を、革部分が丈夫になるように薄く塗布しました。翌日の空ぶきは、オーナーが。バルザックの本、最初に見た時には背表紙が崩壊しそうで、革の金箔文字が一文字ずつふらふらになっていたのに、ずいぶんしっかりして、ちゃんと読める文字列が保たれていて、良かった。

そうそう、重要なことを言い忘れていました。接着にはJadeRを使用しました。JadeRの特徴として、無酸で、乾いた時も柔らかく仕上がる、と説明しました。あともう一つ、本の修理にとって重要な特徴があって、それは、可逆性。乾いた後でも、水をつければ、取ることができます。木工ボンドは、乾いたら取れませんが、JadeRは、もし何かの要請で、後世に入れた素材を取り去りたいと考えれば、元に戻すことができます。これは修理には重要な特性です。昨日の作業が、水で元に戻ってしまうと思うとちょっとせつないですけど、何がどう転んでやっぱり取りたいとなるかわかりませんが、その時にはそうできるということです。

作業の後でいただいたレモンの香りの紅茶がおいしかったです。皆さまお疲れ様でした。また来年!
書籍の修理と保存
書籍の修理と保存
書籍の修理と保存
書籍の修理と保存
書籍の修理と保存

2019年2月4日

セミオーダーを通販でも始めました

「本の形をした函に入った活版印刷蔵書票」
「お名前入りブック型の小函」
「大きな本型のボックス」
こんなラインナップでセミオーダーを通販でも始めました。私の持てる印刷や製函の技術で、少しでもお役に立てたら、こんなに嬉しいことはありません。ご注文いただいてから、納品まで、今のところ2か月くらい見ておいて下さい。
本の形をした函
活版印刷蔵書票