本の修理を習っています。自分の本では自分の描いた設計図の中を歩くけれど、他の人が作った本は、他の人が作った国の中を探検するみたいでおもしろいです。それが特に、昔の人だったりすると。
当面、「子供日記」を修理しています。大正9年に、祖父が10歳で書いたもので豆本『MAHO NIKKI』の原作です。
これは、背が完全に崩壊してしまっているんです。このままだと読むことができない。ページもどんどん取れてきそうです。
この本は、折丁をホッチキスで平とじにして製本されたものです。腐食していたホッチキスを抜き取り、穴を和紙で補修しました。
縁がぼろっとなった別丁ページにも和紙を貼って、
ページサイズに切りそろえました。
内側の穴修理はひたすら、ほぼ全ページに及びました。中のほうは祖父の手で文や絵が書いてあるページになります。
全部修理ができたところで、きっちりとプレスに挟み、目打ちで穴を開けました。
小さな三つ目とじを、天地二箇所にして平とじにしました。修理したホッチキス穴の位置を利用しました。(あれ、別丁も一緒に糸で綴じるはずが、写真を見るとどうもそうなっていない。後で確認しないと…)
とまあ、写真は地味ですが、本の内側は驚きの連続で「うわーここがこうなってる!」と見つけるのが楽しいです。