2017年2月21日

フランス装の豆本を作りました

日曜午後は、朝日カルチャーセンター千葉で、『雨ニモ負ケズ』の豆本を皆で作りました。楽しんで手を動かして、すてきな豆本ができました。本の作り方も同時に学んだので、これからご自分の本を作っていく楽しみもできました。ありがとうございました。私は、人を喜ばせるのが仕事なんだなと感じました。
製本と印刷の工程は、動画でご覧いただけます。
同じ印刷でハードカバーに仕立てた豆本は、東京堂書店神保町店と、三省堂書店池袋店いちのいちで販売しています。

2017年2月18日

紹介されました

コミュニティー・ペーパー「行徳新聞」(第1886号)「いちかわ新聞」(2017/2/17 No.670)の「顔 ひと」欄に掲載されました。このぺーパーは市川行徳エリアで無料ポスティングなどされています。ありがとうございました! 記事には、どうして小さな本を作ってるの?など、バックグラウンドの内容をしっかり入れていただきました。いろんな世代の方が読むので、そこがきっとまず知りたいところですよね。小さな本への夢がふくらみます。「ワクワクが止まらない 豆本の世界へようこそ」
行徳新聞"

2017年2月13日

革装の洋古書と暮らす2

 目黒区民ギャラリーでの第8回東京製本倶楽部展は無事に会期終了しました。たくさんの方においでいただき、ありがとうございました。明日から京都で始まります。
 そして私と一緒に『雨ニモ負ケズ』豆本が作れる、千葉のワークショップは16日木曜まで受付予定です。この機会をお見逃しなく。

 さて、粉が出るほど傷んだ革を補修するため、HPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)を薬局で取り寄せ購入し、一日かけてエタノールに溶かして、塗布しました。私の所有本で、既に他の部分も傷んだり、いろいろある本に、練習台になってもらいました。結果、塗ったことでとても良くなったことを実感しました。セルロースの薄い皮膜ができて、強くなったかんじ。粉ももう出ません。こんなに変わるとは!


 さてHPCが乾いたので、他の本も一緒に、SC6000を塗りました。アクリルポリマーのコーティング剤で、空気中の窒素や酸素の影響を受けにくくなるので、革が長持ちします。うちの本棚だと、3年で革表紙が何もしなくても勝手に傷んでしまったので、これは必要だろうと思いました。SC6000はNYからの通販もできますが、田村書店の2階で手軽に買いました。空ぶきして、これで、自分の本のお手入れはひととおり終了しました。これで練習が済んだので、このあと、人様の御蔵書をお手入れさせていただく予定です。



 そして、読書。ポショワールの挿絵が入った仮綴じ本『青い鳥』を読み始めました。買ったすぐの夏は、結局忙しくて読めなくて、今。でもその間にフランス語力が上がっていたみたいで、対訳本を傍らに置いたら、辞書を引く必要もあまりなく、意味がわかります。子供のせりふ中心ですから簡単です。楽しいです。お金持ちの子供を見つめる視線が身につまされます。読書スタイルは、手袋をして、そして本は120度に開く書見台に置いています。仮綴じ本は糸が細いので、しっかり読書したら切れそうなので、120度までが安全かと。

2017年2月6日

第8回東京製本倶楽部国際製本展「吾輩は猫である」

豆本個展
会 期 2017年2月8日(水)-2月12日(日)10:00-18:00(12日16:00まで)
会 場 目黒区美術館 区民ギャラリー
豆本個展
会 期 2017年2月14日(火)-2月19日(日)11:00-18:00(14日13:00から、19日17:00まで)
会 場 京都市国際交流会館 姉妹都市コーナー展示室

  私の作品は『航海記』特装版と『雨ニモ負ケズ』特装版の2点の展示のみで、販売はありません。会期中、製本ワークショップやギャラリートークなどが予定されています。詳細は主催 東京製本倶楽部ホームページをご覧ください。
私は2/9木・2/10金、10-14時に会場にいます。

2017年2月2日

豆本の一回講座をやります

皆で同じものを作ります。平らな紙が自分の手の中で本になっていくおもしろさを味わって下さい。印刷した本文も表紙も活版印刷で、本物を使用するぜいたくな製本体験にもなります。

2017/2/19(日) 13:00-15:00 朝日カルチャーセンター千葉
宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』フランス装を作りましょう。
公開講座 はじめての豆本 詳細・お申込みはこちら
写真

2017年1月30日

革装の洋古書と暮らす

 19世紀後半から20世紀初め頃の、洋古本をほんの10冊程度所有しています。旅行や古書市、譲渡、インターネットなどで少しずつ集まってきたもので、表紙のデザインや素材、バランス、色味、組版や印圧、紙の素材や見返しなど、持っているからこそ、その時々で気づくことが勉強になっています。
 さて最近、本たちを見ていたら、あれっこの革、前からこんなに粉っぽかったかな? とドキッとしました。うぅーん、買った時どうだったか思い出せない。良くない変化に早めに気づくには、日ごろの観察が大事だなと。写真で記録を取っておけば、前に遡って見比べることができます。
 うちの保存環境は、小さな家なので劣悪です。本の素材は、温湿度の変化が多いと呼吸が激しくなって老化が速まるので、大きな空間で温度低め湿度50%程度で一定が良いようですが、うちは夏暑くて冬寒くて結露しています。そのため、アーカイバル仕様の保存箱を揃えているのですが、本を見たいので、いつのまにか、かなりの本が保存箱の外に出てきてしまっていて、保存箱の中にはたいしたものが入っていない現状。これは……。本の保存と、利用との、両方を考えないとうまくいかないということを実証してしまいました。
 本の保存を優先すれば、本は保存箱に入れておくのが良いのですが、そうすると本が見えなくなってしまう。見たい時にその本を箱から取り出せばいい、というんじゃなくて、本棚に本をいつも見ていたい気持ちが自分の中にあるんだなと気づきました。「本の背表紙を眺めること」が、今現在の私の、本の利用の大きな目的になっているみたい。
 こうしたことを考えているうちに、「本って何」と疑問に思いました。一月にLe Petit Parisienの本棚に惹かれてスケッチに通ったのは、それが美しい売れる本ばかりを集めた古本屋さんの本棚ではなく、一人の蔵書だから。本棚写真集も見返しました。朽ちかけている、図書室の中の革装本。一律にグラシンをかけたフランスの古本屋さん。

 博物館で所蔵しているような貴重書なら保存最優先としても、私個人が買える程度の古本は、発行部数が多く、手元に来た時に既に傷みが来ているので、私があと20年間くらい日々眺めて閉じ開きすることを、本の利用の目的に掲げることにしました。うちに来た本はあと100年の長生きはできないかもしれないけど、本の保存はもっと大きな家に住んでいるコレクターさんに任せた! それよりも私が本を活用して、ここから見て得たものを今後の製本や制作に役立てることが目的。小さな家だけど、本を開架で置いておく、としました。
 革表紙の劣化については、私のノートには、「傷んだ革を元に戻す方法はない。予防が大事。保護ジャケットをかける。保存箱に入れる。傷んだ革にはHPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)の無水エタノール溶液を塗る。塗ることでさらに傷める場合もあるので注意。良質の保革油を少量塗り、半日以上置いて空拭きする。フランスの博物館が開発した靴墨タイプのは失敗作なので使わないで。保革油が長期的に酸化するという意見もあるが、20年前に塗ったものが良い状態である。」と記されています。ところが、これは5年前に取ったレッスンノートで、昨日先生方に聞いたら「アメリカではもう保革油を塗らなくなった」という情報を知りました。うぅーん。そして、保革油を塗った50年後はまだ誰も見届けてないわけです。
 やはり、本の利用の方針を立てないと、一歩も先へ進めないと思いました。私の本の場合は、背表紙を含めて本の中身をあと20年美しく眺める、という目的を私一人が決定すれば、それでいいわけなので。革の状態を再確認して、保革油を塗ることにしました。しかし私のやり方が正しいかは、自信がないです。あくまでも自分の蔵書だからできるというものです。
 まずは、本屋さんからついて来たビニールやグラシンは外しました。それだけでも、気づかなかったことに気づきました。背が固い本は、120度以上開かないほうがいいので、書見台を使って作業してます。

 マイクロファイバーの布で、保管庫から離れた場所でクリーニングしながら状態を見ました。埃は酸化の元なので除去。本棚も拭きました。

 かびっぽくなっていた紙函があったので、アルコール塗布で、かびの根を断ちましたた。

 見た目が悪く外れている部分は、それ以上剥がれたり欠損したりしないように、JadeRでくっつけました。JadeRはもし取り去りたい場合は水で除去できる可逆素材です。他の部分につけないように注意してスパチュラで少量差し込んで、ヘラで抑えたら、私の所に来た本の価値が上がったみたいに見えたけど、その結論は50年後に。


 マーニーの保革油を塗り、本を立てた状態で乾かしながら浸透を一日待ち、その後、空拭きしました。ツヤっと美しくなったと思います。20年後どうなっているかわかりませんが、その他の条件も悪いので、これの影響だと特定もできないんじゃないかな。私にとっては、美しさと愛着が増しました。


 そして、気になるものにはグラシンをかけました。傷んで粉っぽい赤い背革の、粉が周りを汚さないように。また、良い状態の本が、手で触って見ているうちに傷まないように。

 HPCは取り寄せ中なので、粉が出ている革に実験的に塗ってみようと思っています。だめならこの背革は交換できるし、どのみち交換しなければいけないくらいの状態だし。続きはまた、一か月後くらいかな。

2017年1月25日

『雨ニモ負ケズ』ハードカバー製本工程

集中できる時間に、少しずつやっています。一気にやろうとすると無理なので、コツコツと、長距離走なペースです。使う道具は、定規や、手作りのジグ(この本の寸法ぴったりに切ったボール紙)などです。前小口を化粧裁ちしました。

表紙ボールも手で一辺ずつ裁断しています。既に何度も作っている本の作り足しになるので、設計はもうできているから、同じように作るだけ。「同じように」というところで飽きが生じると完成しないので、飽きないように、小ロットで作っています。前作った本の著者本を取ってあって、その実物を見ながら寸法を測ったりして確認しながら作っています。昨日は、表紙ボール裁断の途中まででした。手仕事をしていると、目の前に物だけがあって、言葉は要らない気分になります。ですが思い出した言葉があります。「コツコツやっていればいつかは終わる。いつ終わるかが問題だが」byコージ先生 いえ、あまり自分を追い込まずにコツコツいきましょ。手仕事にワープってないから。




制作風景
イベント
豆本ワークショップ
書籍の修理と保存













































































































































AND OR

count/ count count/ count count