EXHIBITION LE PETIT PARISIEN
2023/12/3(SUN)-2023/12/23(SAT)
13:00-18:00 最終日は17:00
水・木定休
LE PETIT PARISIEN 曳舟駅徒歩1分
仮製本「LE PETIT PARISIEN」に対し、作家各々の表現により装幀を施したものを展示する企画です。改めて装幀とは?を考える機会になることを期待しています。
赤井都は、仮綴じ本を革装本にしました。昔ながらの卵白を用いての金箔押し装飾をしました。小さな私営書斎での企画展示です。その時その場に同席する方々や、そこにある蔵書ともども、お楽しみいただければ幸いです。
池のほとりの本のみち【好評終了】たくさんのお越しありがとうございました。初日は3000人の来場だったそうです。フジテレビのニュースに私の豆本も紹介されました。面白い企画のあたたかい開催をありがとうございました。
2023年10月28日(土)15:00〜20:00, 10月29日(日)10:00〜15:00
豆本や手製本の販売、豆本ワークショップなど行います。公園の木陰で、本を見たり読んだりする体験をぜひ。長い時間いるので、遊びに来て下さい。
不忍池の水上音楽堂付近に、赤井都の豆本、古書店さんや書斎、カフェやブルワリーが出店する初の試みです。
【展示中】FREEDOM Project
Curators: Ania Gilmore + Malgorzata Oakes
October 1 - 31, 2023 好評につき、Wozownia Gallery展示は会期延長して、11月末までになりました。展示のようす
Book Art Museum
Lodz, Poland
作品招待されて作品参加しています。展示はポーランドのブックアートミュージアムの後、世界を巡回し、次の展示は2024年春夏が予定されています。
+ 赤井都の豆本は、アメリカのリリーライブラリーにも、レアブックスとして収蔵されています +
これまでに制作した全作品一覧
赤井都の豆本はminiature book STOREで販売しています
+ + 赤井都の豆本販売店は、世界に少し + +
>>委託店一覧
+ + さまざまなメディアに紹介されています + +
2023年10月29日 フジテレビ 夕方のニュース番組17:30〜「Live News イット!Weekend」で『本で魅力ある街づくり 読書の秋に“初”のブックカフェ』豆本紹介されました。
2023年5月1日発売 月刊ブレーン6月号 vol.755 p.90-97『青山デザイン会議』手のひらに物語を再現するミニチュアの世界 対談に登場しています。
2022年11月 "L'art du Livre Origami"の英語版とスペイン語版が出版されました。赤井都の豆本が3作品掲載されています。著者Jean-Charles Trebbi 出版社Hoaki(バルセロナ)
2022年7月『bijou book 珠玉の豆本』に作品掲載されました。「豆本をつくる」の章に登場します! グラビアにも、ジャケットをめくった表紙にも。いろいろな思考の筋道も、豆本と同時に書かれているところが特徴的で、美術に悩む若者にも読んで欲しい。作中の図版のキャプションが丁寧で、ここからも豆本を読み解いたりコレクションしたりができそう。「自分が楽しんだものを人に伝えたい」。著書戸矢崎満雄 発行株式会社新潮社図書編集室 ISBN 978-4-10-910223-0
2021年11月 "L'art du Livre Origami"に作品掲載されました。パリで出版された折本についての本で、英語翻訳版も近日出版予定。著者はJean-Charles Trebbi ISBN:978-2-07-291467-6
豆本の作り方の本です。
+ + 本格豆本を作っているちょっと長い動画 + +
Making Alice's Adventures in Wonderland miniature book+ 小さな本を手で作っています +
Photo(c)Studio Lasp
ブックアーティスト。
2006年、2007年、2016年、2021年、2022年、ミニチュアブックソサエティ(本拠地アメリカ)の国際的な豆本コンクールで、日本人初受賞、連続受賞。2019年、豆本を広めた貢献でNorman Forgue Award受賞。
著書に『豆本づくりのいろは』(河出書房新社)、『そのまま豆本』(河出書房新社)、『楽しい豆本の作りかた』(学研パブリッシング)。
豆本作品は、アメリカのライブラリーやフランスのコレクションなどにも収蔵。国際ブックフェアにゲストとして招待され、海外で豆本ワークショップや講演も行った。
>>もっと詳しく見る
「豆本」「ミニチュアブック」を作ること、見ることをお楽しみいただけます。
豆本は、数千年昔、本の歴史の始まりの頃から、西洋でも日本でも作られてきた、小さな本です。
サイズは小さくても、可能性は無限大。
本は総合芸術です。アートとしての表現が近年注目されてもいます。
【小さな本の休日 制作部】は、赤井都と一緒に、オリジナルキットや好きな素材を使って、お好きな豆本を作ります。 数ミリの小さな本から、ふつうサイズの本まで作ることができます。本としての内容のある本も、キットからも、ご自身のプランでも、作れます。
【小さな本の休日 鑑賞部】は、ミニチュアブック世界大会受賞作品を含む、古今東西の世界の豆本を鑑賞していただけます。これが本?と常識がくつがえるアートブック。また、クラシックな佇まいにうっとりする伝統的な本。簡単には見切れないので、何度でもおいでください。
豆本ワークショップは、プライベートレッスンと、グループレッスンとがあります。
下リンク先で、カレンダーをクリックして予約できます。
予約すると、詳細について、miyakoakaiからメールで連絡が行きますので、メールを受け取って下さい。
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+ + 本の修理と保存 + +
「書籍の修理と保存」レッスンを受けて私が行った本の修理、自分の蔵書のメンテ、そのあとLe Petit Parisienで行った本のメンテの記録は
こちら
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豆本の歴史
手のひらに乗るくらいの小さな本の歴史は、書き言葉と同じくらい古く、各民族がそれぞれ、その時代の製本様式で小さな本を作ってきました。「本」と言われてどんな形をイメージしますか? あなたがイメージした形と違っても、今ある本の形よりもずっと古くに作られ、その時代に「本」として通用していたのならそれは本と言えるでしょう。4000年前の小さな楔文字の粘土板(約4cm)が、古代メソポタミアの遺物として残っています。内容は牛などの取引を記した文書(もんじょ)などでした。日本では8世紀(奈良時代)に高さ約6cmの豆巻物が百万部も印刷され、高さ約45cmの塔の容れ物に入れられました。これは現存する世界最古の印刷かつ大量生産の「百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)」で、豆本でした。一方、西洋では、15世紀頃に洋本の形で作られた手描きの祈祷書が今も残っています。1455年にドイツでグーテンベルクが活版印刷を始め、1501年までに活版印刷された物をインキュナブラ(incunabla)と呼びますが、インキュナブラの中にはベニスで印刷された高さ約7cmの聖母マリアの本もあります。
活版印刷以降の500年間、欧米では数千種類に及ぶ小さな聖書や娯楽の本、ドールハウスの本、誕生日や暦の本などが作られました。子供用の豆本も、大人用の豆本もありました。日本では江戸時代に漆箱入りの源氏物語の一揃いなど、雛道具としての豆本のほか、着物の袖に入れて気軽に持ち運べる、実用や遊びの本「袖珍本(しゅうちんぼん)」がたくさん作られました。これらは和綴じの本で、男性にも女性にも使われていました。
このように、人間の本の歴史と共に、小さな本はありました。この頃の本は全て手作り。小さな本は少しの材料ですみ、持ち運びもしやすい利点がありました。けれど、実用の用以上に、世界各国で豆本に凝ってしまったのは、小さな本の持つ独特の魅力のせいなのか。
本とは、情報を伝えるもの。本が時代を超えれば、文化を伝えるものとなる。そうした文化の器である本が、小さい。たったそれだけの仕掛けで、豆本は、それを見る人間を、不思議なことに可愛いと微笑ませたり、愛着などの気持ちに誘ったり、一つの世界を掌に収めているような満足感を感じさせたりもします。
小さいので、本は軽い。素材の軽さは、制作の際、形に大きな自由を与えます。
19世紀イギリスの祈祷書。毎日一段落ずつを読む。活版印刷。
袖珍本の例。手前は西南戦争の歌で、ページ半ばにキセルの焼け焦げの跡があり、宴席で使われたことを伺わせる。旦那が芸者に会いに行く前に、むしろの上で売られていた流行歌の本を袂にしのばせ、はやりの歌を覚えたとか。表紙は色刷り木版。奥は明治時代の図案集、木版一色刷り。手書きで墨や朱が入れられ、図案集として実際に使用の痕跡あり。
昭和日本の豆本の例。
サントリーの洋酒マメ天国と、地方豆本の会による出版
(手前:古通豆本、奥左:緑の笛豆本)。
豆本クイズ <うそ?ほんと?>
豆本は月に行って帰ってきたことがある
世界最古の、紙への印刷物は、豆サイズだった
アラビアの砂漠には、何千という豆コーランが埋もれている
豆本は、19世紀イギリスの出生率を下げる原因となった
表紙が金銀宝石で覆われた豆本が17世紀にパリなどで作られていた
イギリスのメアリ女王がウィンザー城に建てたドールハウスの中には、豆本図書館があった
ナポレオンは遠征の途上、豆本を携行し、当時流行の文学作品を読んでいた
アブラハム・リンカーンの奴隷解放宣言は、当初豆本の形で発行された
フランクリン・D・ルーズベルト大統領は、豆本コレクターだった
ピカソの筆による豆本が存在する
ポール・マッカートニーが「ヘイ ジュード」の歌詞をペン書きした豆本がチャリティオークションに提供された
全て本当のことです。
豆本のサイズ規定
最新の印刷技術や手工の技、職人魂などをつぎ込んで、凝って作られた豆本は「小さな宝物」(tiny treasures)とも言われ、アメリカでは3インチ以内(7.6cm)、ヨーロッパでは4インチ以内(約10cm)をミニチュアブック(miniature book)と呼び、コレクションの対象となってきました。日本では、紙を折り畳んでいって自ずと成るサイズで作られたことが多く、愛好家は多くとも、大きさの定義はそれほどなされずに今日まで来ました。
昭和の2回の豆本ブームで作られた豆本の多くは4インチサイズに近く、これは文庫本の約半分の大きさです。
文字の大きさは、新聞の字から名刺の住所の字くらいの大きさで、虫眼鏡なしに読めます。欧米でミニチュアブックと言う時、サイズの規定のほかに、文字が肉眼で読めること、という規定もあります。7mm以下の本はミニチュアブックではなく、マイクロブックとカテゴライズされます。
世界最小の豆本
かつて、20世紀の間じゅう、世界で一番小さな本を作ろうと、イタリア、イギリス、アメリカ、ドイツ、ユーゴスラビアなどが次々に記録を塗り替えてきました。2012年まで、ロシアと日本(凸版印刷)が世界最小の本のギネス記録を保有しています。小さすぎて、計測結果の誤差が大きいため、2冊ともがギネスに掲載されました。2012年凸版印刷は新たなマイクロブック『四季の草花』を出版しギネスに申請し、承認されました。2007年からは、アメリカの研究所が作った極小のナノブックも存在します。カリウムイオンビームで、シリコンの結晶体の上に文字を彫った30枚のマイクロタブレットからなる本で、ISBNコードがつけられました。こうなってくると、めくれず、読めず、小さな本が「本とは何か」という問いを突きつけてきます。
現在、世界各国で豆本を楽しむ人たちがいます。日本、アメリカ、ロシア、ドイツ、イギリス、台湾、韓国……。小さな本を見て触って、読む楽しみ、所有する楽しみ、作る楽しみ、贈る楽しみは、その物の魅力で人をつなぎます。
本ってどんな種類があるの?
綴じの構造から大きく分類して、「中綴じの仲間」「折本の仲間」「平綴じの仲間」と3種類で考えられます。
実は、こうして明快に3種で分類したのは『楽しい豆本の作りかた』が最初で、本の種類を綴じの構造で分類した文献は『1000 Artist's Books』以外に見当たりませんでした。一時代の一社会の中では同じ本の形式が作られ続けたため、本全体を構造で分類する必要がなく、現代の製本家の多くは自分の好きなスタイルだけ作るため他のスタイルと比較分類する必要がなく来たと思われます。
現在の豆本
これまでの豆本制作の歴史では、有名作品を縮小したものが多く作られてきました。しかし今、日本でも世界でも、本を表現手段としたアーティストブックが作られています。赤井都が作るアーティストブックは、オリジナルの物語を小さな本の形にしたものです。自ら物語を書き、そのイメージからデザインを起こして、ふさわしい装丁や素材で形にし、手のひらの上に軽やかに自由に乗る、一つの世界。ささやかに小さく、ぎゅっと内容が詰まった小さな本です。近づいて手にした人だけが、中を読むことができます。大きな本は大きな声で立派に語るけれど、小さな本は小さな声であなただけに囁きます。
>>豆本とは 参考文献
『Miniature Book: 4,000 Years of Tiny Treasures』Anne C. Bromer, Julian I Edison, Harry N. Abrams, 2007
『本のれきし5000年 (たくさんのふしぎ傑作集)』辻村 益朗, 福音館書店, 1992
『私の稀覯本(きこうぼん)豆本とその周辺』今井田 勲, 丸ノ内出版, 1976
Miniature Book Society Newsletter, No.75, 2007年7月号
>>リンク集
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