Dec 28, 2012
修理した本
豆本ツリーは好評に終了しました。豆本ツリーの最大の欠点って、実は毎年思うのですが物を探しづらいことです。年末の忙しい時期に、枝枝の間をこんなに探して!っていう企画はどうかと思いつつ、今年も快調な売れ行きでありがとうございました。さて、言壺は今日で仕事納めです。忙しくて放置していた物事をここ数日でちゃんとしました。裏打ちした後の木の板を洗って干したり、欠けていたヘラをやすりで削り直したり、といった事をして、すっきりしました。
それから、これまでアップする時間がなかった絵本の修理の写真です。12月最後のレッスンで、無事にもう一冊、修理が完成しました! これまでの経緯はこちら。
続きの記事はこちら。
新しい部材を用意しました。背ボールと、裏打ちしたクロスです。
新しいクータを入れました。
クータを入れた後、こんなふうに背は開いた状態。
布の折り返しを入れるために、表紙ボールを二つに割っておきます。クータと見返しの間は、今、のりを入れてしまいます。
背をつけました。
上から見るとこんなふう。
準備しておいたここの隙間に、布を折り返して入れてボンドでつけます。
折り返して入れました。
背表紙のタイトルパーツの、ボール紙をできるだけむいて薄くします。ばらばらのパーツは、定規を添えて、まっすぐに新しい紙の上に貼ります。
背タイトルを布の上から貼れば、修理完了です。
できました。また読めるようになった『ひとまねこざる』
新しい糸が入ったページ。
背側から見たところ。
クータの動きや開きを確認。【↓before】【↑after】
修理前:テープ修理をせっせとされていました。
後ろ見返し。【↓before】【↑after】
修理前:テープ修理から30年たって、テープが互いにくっつきあって開かない状態でした。
【↓before】【↑after】
修理前:テープ修理をせっせとしたために、背ボールやミゾが、加えられたテープの厚みを受け止められずに崩壊してしまい、綴じ糸が切れ、はずれたページでした。一枚のテープが次のテープを呼ぶ…。だから、テープ修理ではなく、薄和紙をヤマト糊で貼る修理をお勧めします。
【↓before】【↑after】
修理前:ここも修理のテープがくっつきあって開かない状態でした。このテープたちをはがすのに、5冊分で一年かかりました。その後の和紙修理と綴じ直しに、さらに一年。個人所蔵で子供時代の記念品だからできましたが、図書館での修理コストを考えたら、壊れた本は廃棄されてしまうでしょうね。
修理した絵本は、これで3冊になりました。
【↑before】11月に『自転車にのるひとまねこざる』の修理も終わりました。
【↓before】【↑after】ボールペンで絵の上に書かれた字は、紙を痛めるので消せませんでした。欠けたページは国会図書館の本のコピーで補いました。メンディングテープの中にすっぽりいた小鳥さんを、なんとかレスキューしたかったのですが、オリジナルはテープからはがすのは無理で、この部分はコピーです。
【↓before】【↑after】
【↓before】【↑after】テープはがし液が絵も溶かしたミスをしました。テープを取った後は、薄い和紙で切れたページをつないでありますが、和紙はほとんど見えません。
さてさて、今年一年、お世話になりました。一月は七日から仕事始めになります。来年もよろしくお願いいたします。どうぞよいお年をお迎え下さい。
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