Feb 13, 2017

革装の洋古書と暮らす2

 目黒区民ギャラリーでの第8回東京製本倶楽部展は無事に会期終了しました。たくさんの方においでいただき、ありがとうございました。明日から京都で始まります。
 そして私と一緒に『雨ニモ負ケズ』豆本が作れる、千葉のワークショップは16日木曜まで受付予定です。この機会をお見逃しなく。

 さて、粉が出るほど傷んだ革を補修するため、HPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)を薬局で取り寄せ購入し、一日かけてエタノールに溶かして、塗布しました。私の所有本で、既に他の部分も傷んだり、いろいろある本に、練習台になってもらいました。結果、塗ったことでとても良くなったことを実感しました。セルロースの薄い皮膜ができて、強くなったかんじ。粉ももう出ません。こんなに変わるとは!


 さてHPCが乾いたので、他の本も一緒に、SC6000を塗りました。アクリルポリマーのコーティング剤で、空気中の窒素や酸素の影響を受けにくくなるので、革が長持ちします。うちの本棚だと、3年で革表紙が何もしなくても勝手に傷んでしまったので、これは必要だろうと思いました。SC6000はNYからの通販もできますが、田村書店の2階で手軽に買いました。空ぶきして、これで、自分の本のお手入れはひととおり終了しました。これで練習が済んだので、このあと、人様の御蔵書をお手入れさせていただく予定です。



 そして、読書。ポショワールの挿絵が入った仮綴じ本『青い鳥』を読み始めました。買ったすぐの夏は、結局忙しくて読めなくて、今。でもその間にフランス語力が上がっていたみたいで、対訳本を傍らに置いたら、辞書を引く必要もあまりなく、意味がわかります。子供のせりふ中心ですから簡単です。楽しいです。お金持ちの子供を見つめる視線が身につまされます。読書スタイルは、手袋をして、そして本は120度に開く書見台に置いています。仮綴じ本は糸が細いので、しっかり読書したら切れそうなので、120度までが安全かと。

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