Sep 23, 2011

左川ちかと、DM撒きの旅中央線編

 夕立の過ぎた夏の午後、左川ちかの読書会に参加しました。
 明治生まれで24歳で病没した自然主義・北方・硬派・石好き・緑恐怖・暗黒少女詩人です。寡聞にしてこの機会に初めて接したのですが、石好き・緑恐怖も、べたべたしないのも、共感します。前後の脈絡のない一行。きっとこの一行しか確かに言えないからなんだろうなあと思う。翻訳調の日本語。論理的な構造をもちながらも、イメージのつながりは説明されていません。ジョイスの翻訳をし、影響を受けています。昼のうしろ、帰ってゆく黄昏、朽ちてゆく生命、樹から離される葉~葉から離れる樹木、墓石、北の海。好きなタイプです。素敵な読書会のおかげで、また文章との出会いができました。

眠つてゐる

髪の毛をほぐすところの風が茂みの中を駈け降りる時焔となる。
彼女は不似合な金の環をもつてくる。
まはしながらまはしながら空中に放擲する。
凡ての物質的な障碍、人は植物らがさうであるやうにそれを全身で把握し制服し
跳ねあがることを欲した。
併し寺院では鐘がならない。
なぜならば彼らは青い血脈をむきだしてゐた、脊部は夜であつたから。
私はちよつとの間空の奥で庭園の枯れるのを見た。
葉からはなれる樹木、思ひ出がすてられる如く。あの茂みはすでにない。
日は長く、朽ちてゆく生命たちが真紅に凹地を埋める。
それから秋が足元でたちあがる。

 中央線沿線3箇所にマメBOOKSのDMハガキを少しずつ置かせてもらってきました。
 さて、英気も養われたことだし紙をまたカットしよう。
Posted at 17:45 in go_out | WriteBacks () | Edit
Edit this entry...

wikieditish message: Ready to edit this entry.
















A quick preview will be rendered here when you click "Preview" button.