Apr 18, 2012

「豆本とは」「制作へのこだわり」

 取材を受けることも、生徒さんと話すことも多いのですが、「豆本とは」ということが、やはりいまだにわかられていないことが多く、このたびHP内に「豆本とは」コラムをupしました。
 日本人は、コレクションはしても、豆本とは何か、という定義やサイズ規定をせずにこれまで来ました。いや、サイズ定義をしようとした人はいましたが、広まりませんでした。かたや欧米のコレクターはこれまでに議論を積み重ねてきていて、合意したサイズ定義がはっきりしています。また、豆本の歴史についても、何人ものコレクターが、自分たち欧米だけでなく、中東や日本までにも触れて書いた豆本の歴史の本を何度も出版してきました。ちなみに欧米以外に、東欧、ロシアに大きな豆本圏があるらしいのですが、言葉の壁が大きく、ベールに包まれた豆本大国のようです。
 そういったわけで、昭和の頃に日本人が書いた主要文献も読んだうえで、私が多く参考にしているのは、2007年にアメリカで出版された『4000 Years of Tiny Treasures』と、「Miniature Book News」(ミニチュアブックソサエティの会報)です。「豆本とは」が、常識になってくれる日が来るといいですが、どうかなー日本人は定義しないし、豆本って小さいし。
 今、私の身近で一番多い誤解が、豆本の発祥地は西洋だというもの。「洋本の発祥地は西洋だ」、というのは正しいですが、豆本の発祥は文明と共に古いので、豆本の発祥の地は、より古い文明のあるメソポタミアです。ただしこの時代この地方で、コーデックス(冊子)の様式の本は作られていません。「本」を、コーデックス(冊子)と限定すれば、洋本の発祥は西洋なのですから洋本スタイルの豆本も西洋が発祥地となります。でもそれより何世紀も前に、日本で作られた豆巻物もありますよ。「本」の定義をどう考えるかです。
 もう一つ多い誤解が、豆本の発祥は聖書やコーランなど宗教のものだというもの。たしかに宗教が絡めば人間はお金も時間も使えますが、メソポタミアに残る4000年前の世界最古の小さな粘土板は、牛などの取引を記した実用的なものでした。
 また、私の制作の姿勢もまとめました。 「言壺のものづくりへのこだわり」
 ようやく4月になって暇がちょこっとできて、こういうことに時間を割けるようになって嬉しいです。
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