Aug 31, 2012
小さすぎる和綴じ本『恋ぞ積もりて』
私にも夏休みの宿題がありました。カレンダーをめくったら9月になってしまう。6日から三省堂書店本店での催事「そっと豆本、ふわっと活版」が始まります。遠い先の予定として計画していたけれどいよいよです。
「赤い鳥2号」の本文紙が印刷されてBird Design Letterpressさんから届いたので、製本しました。一枚ずつ、下敷きの紙がつけられていて、そのまま私の作業にもちょうどいいので使っています。紙が薄いから、印刷機械に入れる時にしっかりするためにかなーと思っていたけれど、切ってみると、もっと切実な理由がわかりました。雁皮紙が薄いので裏にインクが抜けていました。インクを止めてくれる下敷きの役目も、この一枚の作業紙が担っていました。でもとにかく小さい。カッターマットの1マスで5mmと1cmがわかりますよね。文字は一番小さいのが4ポイント…。よく製版できたなあ…。よく印刷できたなあ…。これができるのは、世界レベルで、とてもとても貴重だと思います。

製本しても、ちっちゃーい。

ちっちゃいけど、本はちゃんと立ちますよ。

指でめくって読むことだってできますもん。

ここまで小さいと、紛失したり、壜の底に本を取り落としてピンセットを買いに走る人が出そうなので、安心のため、壜のコルクと本を、糸でつないでいる仕様にしました。壜の蓋には、やはり贅沢に活版印刷で、本のタイトルを刷った紙を貼っています。壜の蓋のコルクが15mmなので、15mmの丸型にポンチで抜いて貼った時に問題が発生しました。コルクが天然素材のもので、微妙に真円ではなく、微妙に15mmよりも小さかったのです。そのため、やすりかけをすることにしています。上写真で左がやすりかけ前、右がやすりかけ後。

真横から見たほうがわかりやすいです。左がやすりかけ前、右がやすりかけ後。紙は真円ではなくなりますが、バリのように紙の縁が出ていると、何度も開け閉めしているうちにそこから痛んでしまいそうなので、指で持った時に一体感があるようにやすりかけをしています。

壜に入った姿。

最終試作段階のパッケージで、壜の中に入っているのはプロトタイプの豆本(印刷なしの束見本)です。壜入り豆本と活版ミニカードのセット、赤い鳥各号5000円です。通販で、また三省堂書店「そっと豆本、ふわっと活版」で、一冊ずつでも揃い番号でも、お気軽にお求め下さい。間違いなくこれは私の新しいマスターピースのシリーズになると、そんなふうに思っています。
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