Dec 20, 2012

接着剤

材料について。補足です。
マグネットを使用すると、マグネット自体に、動こうとする力があるので紙や接着剤を壊す力が働きます。さらに、紙とマグネットとの接着に、性質の安定が確認されていない接着剤を使用しています。だからあんまり長持ちはしません。
マグネット(金属)と、紙は、シリコン系の接着剤で接着できました。
マグネットシート(ポリプロピレン)は、中性糊の両面テープで接着しました。

両面テープについて。美術用品向きで、ベースの紙も中性、糊も中性とうたっているドイツ製の製品があります。ただしそうはいっても基本は、作品の中に入れるのではなく、仮止め用だと思います。これは10年くらいはもつのかなあと思います。
こういう新製品のものは、実証実験が現時点までしかないので、未知数の部分も多いです。
新製品は、たまに失敗作があります。たとえば、本の修理のクラスで取ったノートに、「リザベーションオイル:フランス国立図書館の靴墨タイプのは失敗作なので買わないで」と書いてあります。
栃折久美子さんの『手製本を楽しむ』に、ベルギー製のレミイという糊を使っていると書かれていますが、その後、レミイは商品リニューアルして失敗して、違う性質のものになってしまい、使わなくなったと聞きました。それで正麩糊を使い始めたと。
また、PVAc糊は、最初よいということで海外で美術品の補修などにも使っていたけれど、その後、しみになるなどだめだったことがわかって、取り去るのにえらい苦労をしているとか。
そんな話がちょくちょく聞こえてきます。

和紙に正麩糊を使ったものは、奈良時代のものがまだ大丈夫です。古くからある素材は、それだけ長い時間観察して、大丈夫ということが明らかです。

長持ちを考えて、作品作りが一歩も先に進まなった時がかつて私にありました。
今回、マグネット入り作品に両面テープを使用しています。内容がカレンダーと干支超短編なので、基本的には1年以上もてばよいかと。説明も添付しています。
そもそも本文紙が中性か? (中性紙抄きと書いてある紙もありますが、中性紙ということに対して、製紙業界の基準はないです)。
印刷インキは?
ボール紙はだいたい再生紙で、つまりは酸性紙だし。
などと考えると、だいたいの素材がバランスよく10年くらいもつと考えて妥当かと思っています。とはいえ、おそらく、今の素材はこの見積もりよりも実際にはもっともつ気がします。
学童用の糊は口に入れても大丈夫なよう極力保存料を押さえているので、紙の保存にもよいらしいです。
木工ボンドも、含有成分と使用観察から、かなり紙に安全だとわかっています。
サイコロキャラメルの紙箱に使われている糊が、ホットメルト(商業出版の背に使われているのと同じ糊)だとすると、30~50年くらいもつのかなと思います。 ホットメルトは、70年代の本が今どんどん壊れていてますが、今のホットメルトはそれより改良されているので、50年くらいはもちそうかな。
マグネット入りの本は、100年1000年長持ちするよりも、10年できれば数十年くらい、楽しく遊ぶほうが主な目的です。
マグネット入りの本と鞄を持って、それまでに、銀河旅行にお出かけ下さい。
大人の時間は、あっというまに過ぎるので、たとえば豆本がちゃぽんは既に7,8年続けていて、10年はもってほしいと思っています。数か月~1年で取れちゃったり染みになったりするのはあまりにも早いでしょう。 スティック糊はこれに当てはまるので、NGと思います。

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