Dec 19, 2014

豆本づくりのいろは増補新版私事

 図書室の話を一つ。病院の廊下に、「図書室へ行こう」という手書きのポスターが貼ってあって、「本かあー今の体調で文字を追って読めるかなあー」と自信はなかったけれど、地図を見て、エレベーターを乗り継ぎ、初めて通る廊下を歩いていきました。たどりついたのは、明るい光が部屋半分に降り注いでいて、真っ青な海が窓から見えて、手作りのペンキ塗りの大きな机や長いベンチのある部屋で、低い書棚に本が並んでいました。ボランティアの方が時間を決めて開館している図書室で、人が何人かいて静かでした。文芸書や推理小説やエッセイがあって、『ぼくはこんな本を読んできた』が棚の真ん中あたりに刺さっていたのでそれを取りました。(これって、神保町の本屋めぐりの話に東京堂が出てくるはずなんだよねー『書店の棚 本の気配』にそう書いてあった。東京堂のことでも読めば、私その本屋さんに豆本置いてるんだよーと思って元気になれるかな。)と考え、中を開くと、活字印刷で紙面が白黒はっきりして強くってばちっと目が捉えられました。椅子に腰かけて、読み始めました。他の方に「その本おもしろいですか?」と聞かれて「はい」と答え、(借りるなら私の後で)と思い、閉館までそこで読んで、借りて部屋に持ち帰って、そんな読書をしました。でも読んでいるうちにこの本を前に読んだことを思い出した。よく晴れていて、海がそばにあって、温かい室内で本が読めて、あの図書室で過ごした2時間くらいのことはきっと忘れないと思う。退院後、『豆本づくりのいろは増補新版』を寄贈しました。手作りのクラフト系の本は、入院中の方にけっこういいんじゃないかなーと思って。紙があれば形を作れるし、病院で図書室に来るような人はきっと本好きだろうからと。どうかなあと思って電話して総務課にお話ししてみたら、「いいですね!」と。あの本の表紙はちょっと暗めだけれど、いろんな思いがある人には、暗めの表紙というのも受け入れられるものかもしれないな。

 退院後検診が終わって、もう行かなくていいことになりました。晴れて自由の身ですー。亀田病院を選べて思い切って本当に良かったと思いました。今の日本の医療技術はすごいからと聞いたとおり、痛みを我慢して寝てる時代じゃなくなってきて、人間的に扱ってもらっていろんな意味でストレスゼロでした。生活習慣は、入院を経ていろいろと変わったことがあり、朝YouTubeでラジオ体操するとか、朝日を浴びて地元を散歩して、東京湾の漁港まで行くとか、明らかに前よりも健康です。夕日は旧江戸川へ見に行きます。もう何をしてもいいことにもなりましたが、今のところは、仕事部屋の素材を整理したり、年賀状にする凸版を真映社さんへデータ入稿したりしました。あとは自分の心の問題だけ。
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