2011年9月23日

本の修理・実技コース

 基礎を終え、この4月から実技コースに進みました。実技になると、自分で課題になる本を持っていきます。課題の発見には事欠かなかったのですが、さっそく修理したのは新顔のこちら。実はこの本、先週森岡書店で入手したもの。このところタイポグラフィをかじり始め「ヤン・チヒョルトが組版した実物の本があればいいのに~」と思った瞬間に目に飛び込んできて、ばしっと掴んだところ、その本はスイスから到着した時にカバーが破れていてね~ということだったのを押し切り購入。自分でカバー(ジャケット)の破れを修復しました。池袋コミカレ内の、書籍と修理と保存、平日の夜のクラスなんですが、なんでしょうあのたいそうな熱気は。岡本幸治先生もワクワク楽しそうだし。地味な古本が事務机の上に載っていて、人がそれぞれについてるだけの絵なんですが。初日は作業に夢中で周りを見る余裕なんてほとんどありませんでしたが。人気クラスです。たまたま席があいていて入れてラッキーでした。
書籍の修復と保存・実技
 緑色の…で示してある箇所の近くが、破れ箇所です。うにゅうにゅ10cmくらい破れたあげく、かぎ状に背の丸みの方へ破れていて(破れ状態の写真を撮るのは忘れましたが悲惨さを想像して下さい)、そのまま使っていたらどんどん破れが広がってきそうな危ない状態でした。この本は第二版ですが、IDEAのヤン・チヒョルト特集の図版に載っているのと色違いのジャケット、これは大事にしたい。
書籍の修復と保存・実技
 裏表紙の小口側の角からも、一直線に7cmくらい破れていました。正麩糊でまず破れ目をくっつけ(これが難しくて時間がかかった)、薄い修復用和紙を「くいさき」して裏からと表からと計二枚貼りました。洋紙は片面からだけ貼ると歪むし、裏面からだけ貼っていると使っているうちまた割れてくると予想されるので。和紙は楮の繊維が破れ目にまたがるように使っています。さらに和紙の上からコーティングもしました。和紙が白いので、修理してあるというのは見えますが、丈夫に仕上がって、使用に耐えてくれそうです。この本の修理の目的は、何よりも、私が使うためです。
書籍の修復と保存・実技
 弱っていて、次に今にも破れてきそうな角もやりました。これはほとんどわかりません。
書籍の修復と保存・実技
 もう一箇所の欠損部も埋めました。これで安心。2時間かかりましたが、慣れたら15分くらいなのかなー。
書籍の修復と保存・実技
 これで安心して読めるー。見返しの値段の書き込みを見ると、日本とヨーロッパを2往復はしているようです。誰かの蔵書になったというより古書店が買い合っているような? 使用感はあまりないきれいな本です。私がこれからみっちり使用してあげます。「本の文字のマイスター」になるべく。
書籍の修復と保存・実技
 美しすぎる本文文字組み。紙感もあってうっとりします。ステキすぎる~。ただしドイツ語です…。ドイツ語読めません…。日本語訳が出版されているので、これからそれを手に入れます。
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