2014年5月26日

『ソフィーの不幸』の本の修理

また本の修理の話になりますが、修理のレッスンで直している本が、ようやく形になってきました。それまでずっと下ごしらえで、ある時、一気に形になる瞬間ってあります。それで写真を撮りました。
本の修理
12レッスンぐらいかかって、形になってきた瞬間がこれ。元は表紙が取れた状態。天地30cmくらいの大型本で、私が扱った中で最大サイズの本になります。表紙は新しく布で作り直しました。何度も書きますが、私がしているのは「修復」ではなく「修理」です。修理は、「本の利用のため」という目的のために行っています。

本の修理
新しい表紙と、本の中身とはまだつけていません。こんなかんじに合います。古い表紙をそのまま使っては、本の利用に不便なので、新しい表紙を作りました。本が作られた当時の黄色い表紙枠に近い色で、素材は紙ではなく布にしています。

本の修理
扉ページ。

本の修理
中はこんな挿画本です。

本の修理
和紙で足を全ページにつけて、糸で平綴じに綴じ直しました。元の本は、針金綴じ。ホッチキスが腐ってぼろぼろになって、綴じの役割を果たさなくなっていたのを外して取り去りました。それをそのままの位置で綴じ直すのではなく、のどあきが狭いので和紙の足をつけました。元のホッチキスの位置は、さびが移って茶色くなっている箇所です。この位置で同じように綴じ直しても、本文紙がもはやもろくなっているので、本を開くために紙を曲げたらそこで紙が壊れてしまいそうです。一つの修理が、次に本が壊れる原因を作ることがあります。「元どおり」にすることで開けない読めない、また壊れる本になっては、「利用するため」という修理の意味がないので、読める本にします。

本の修理
外れてしまっていた表紙の、タイトル絵は、はがしてまた使います。

本の修理
タイトル絵を曲げないように、逆側からはがします。

本の修理
表から見てみるとこんなかんじですが、この姿勢では作業は危ないのでしませんよ。

本の修理
これくらいボール紙がむけました。ちなみにボール紙は逆目で使用されていました。

本の修理
これを、水を入れたバットに入れました。絵を下にして、透明なアクリル板に載せて沈ませてあります。

本の修理
一晩たつとこんなかんじになっていました。

本の修理
これも絵と逆側から作業しています。水の力が浸透していて、だいたいするーっとはがれましたが、少し残ったのを指先でくるくると優しく取り去ります。ある程度取ってから、見えづらいので、アクリル板に載せたまま水の外へ出して作業を続けました。

本の修理
新しい水を入れたバットに沈めて、細かいくずを指先で洗うように取ります。

本の修理
板に挟んで乾かします。続きは、また今度。

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