2013年5月2日

書店 トボトボ を検索してみた

またしても忙しくなってきて、なんだかんだで手と目は休む暇なく、机に向かって引き籠り。買い物に出ていないので、ストックの玉葱と小魚ばかり食べて飽きてきた。忙しくても、夜は紙の本を読む習慣にしようと思った。個展の片づけの際に棚の上の方の保存箱を開けて、その時に、以前買ったまままだ読んでいなかった書肆ユリイカの稲垣足穂全集の5巻を取り出しておいた。それを一階の四畳半で、ランタンにティーライトを入れて、ウイスキーのストックはないのでそのへんのビールを飲みながら読むと、すっごくいい。『彼等』は、新潮文庫で既に5回くらい読んだお気に入りの話だけれど、書肆ユリイカ版で読むと、すっごくいい。何がいいって、何だろう? まずは本の縦横比。ページの中に入っている文字のバランス。そういうものが、美的で、無意識に引っかかることも全くなく、私が素直に文章の中に入っていける。平たく言えば、「読みやすい」。新潮文庫(引き合いに出して悪いわね)で、難解な文章だなーと感じた同じ文章が、すっと胸に入ってくるのが不思議。文章への理解も早い。意味がわかった気になれる。もちろん、古紙のもろい風合いとか、そこに載った鉛活字の押された陰影とか、ところどころ活字がちょっと転んでるのとか、そういうフレーバーが添えられているのも良いんだけれど、それだけでは説明がつかない、全体的な読みやすさと親しみやすさがある。この本で読むと、言葉と人の関係が近いっていうか。書肆ユリイカの発行人、伊達得夫(大正9~昭和36)の造本に天才的なものを感じる。私が小説家をめざしていた時、読書していた大正昭和の文章と今は違って、すごく優しい、書き手が読者に説明しすぎる、くどいくらいの文章でないと売れないのがちょっとなーと思っていたけれど、それは読書媒体の文庫本の都合で、そんな文章しか読めないのかもしれないな。
書肆ユリイカの他の本が出ていたら欲しいなーと思って日本の古本屋を見たけれど、全巻揃いか、うぅ~ん…。
huruhonya
関係ないけどこちらさんの「物問はば名乗る可し!」に首肯して、それから「トボトボ歩いて15分で到着」「旱天酷暑・強風雨天・降雪時はお休み」に目が食いついてしまい、グーグルで「書店 トボトボ」を検索してみた。ところが「書店 トコトコ」のほうが件数は多かったなあ。書店へは、必ずトボトボと行くものかと思いきや、それは多数派じゃなかったか…。
『彼等』を読んでしまったので、今度は、タカスギシンタロさんづてで入手した、超短編集『七角錐結晶体』を読んだ。大阪の文フリに出ていたのだって。よかったです。超短編は進化し続けているみたい。私は、同人誌やリトルプレスの印刷や製本よりも、もう少し、自由度が高い造本をしたいなあと思って、こんなに手製本のほうまで来てしまったんだったなあ。今回の大阪文フリはけっこう、アートブックが出ていたみたい?
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