2014年3月24日

アリスの本屋さんです・製本続き

『不思議の国のアリス』をキャロルが出版するにあたって、『小人国のアリス』というタイトルも検討していたそうです。お話の最初の方でアリスは、「さくらんぼのタルトと、カスタードと、パイナップル、ローストターキー、トフィー、熱いバタートーストを混ぜたみたいな味」の飲み物を壜から飲んで、体が小さくなって、ストーリーが展開します。そんな小さなアリスの話を小さな本に作るのは、物語の内容に合っていると思います。

さて、製本作業の続きは…、ばらばらだったページを糸でかがりました。
豆本を作る
かがりの土台は、空き箱だとフワフワしすぎるので最近は本を愛用しています。重たくて、作業中読む必要がなく、つるっとしたケースに入っている本が大層良い具合で、テープで支持体の端を貼っています。重い本を2冊くらい積んで机から15cmくらい高い台にすると自分の姿勢が楽です。折丁の滑り止めのため、本の上に白木の板を置いてセットします。常に支持体を上へ引っ張った状態にする必要があるので、次に作る時には、「本の場」製の小さなかがり台を使うことにするかもしれません。23折丁もの厚みがあるので、かがる背を垂直に保ち続けるのが難しかった。かがりがきれいにいくと、次の丸背もきれいに整形できます。かがりは重要なのに単調作業なので、飽きて集中力が切れた時にへまをしがちで…。飽きないように、一冊ごとに休憩をしたり、他の作業を取りまぜたりして。
豆本を作る
二日ぐらいかけて、四冊かがりました。最近は、表側(製本が仕上がった時には見えなくなる面)にA,B,Cなどの文字を鉛筆で書いて、中をいちいち開けて見なくても天地表裏が一発でわかるようにしています。自分の中で「Aの本はここがこうなった本」「Bの本はあそこがあれだから次はここを気をつけて」と区別をつけてやっています。

……次の日……
豆本を作る
丸み出しと背固め、寒冷紗を貼りました。一晩かけて完全に乾くのを待ちます。「製本工房リーブル」の豆本工具セットを使用。真鍮の板がクランプで締めつけた時にも凹まないので便利です。

……また次の日……
今回のアリス特装版では、天染めをするつもりで、ここからはこの本に対して初めてする作業になります。「手で作る本の教室」での作業を参考に、手締めプレスに組み合わせて、規定サイズの板を使ってセット。思ったとおり、単に締めれば並行垂直が出て便利でした。初めての作業なのでどれぐらい精度が出ているかちょっと心配しつつ進めました。
豆本を作る
手締めプレスのプレス力が、すごく強くはないタイプだろうと思ったので、本はあまり大きくプレスから出さずにほんのちょこっとだけ出して、ギザギザをやすりかけして取ることにしました。プレス力が弱いと、やすりかけして出た紙の粉が本のページの間に入り込んでしまいます。
豆本を作る

豆本を作る

豆本を作る

豆本を作る
「ルリユール工房」では、この作業はウッドブロックに貼ったやすりでやったのですが、今回は紙を芯にして、布やすりを巻いたものでやってみました。120番から初めて、4段階で細かい目のやすりに変えていき、最後は鏡みたいに…やすりでぞうきんがけするみたいに磨けってことなんだけど。天がきれいになるにつれて、かがり作業の粗がまた目についてしまい、いろいろ完璧ではなかったけれど、私は完璧主義者ではなかったので許してしまって、むしろ挽回作業の小知恵と器用さで、本を救う方向へ。この日の作業はここまでで。


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