2011年9月23日

『ひとまねこざる』の修理

 さて、写真は地味だけど実は案外反響の多い、書籍の修理と保存で、次の修理を始めました。
書籍の修理と保存・実技
 こんなテープ修理を35年くらい前に施された本がうちに何冊もあります。背は当時、身近にあった中では最も粘着力の高いビニールテープ(絶縁テープ?)。いまやテープが既に変色してはがれかけていたり、テープの表側が互いにべたべたくっつきあっていたりして、読んだりこのまま保存し続けたりには不安があります。
書籍の修理と保存・実技
 中はセロハンテープ。時々ビニールテープ。絵柄や文字の上にテープがかかって、変色しているのは、元には戻せない(変色を取ろうとすると絵や文字も消えてしまう)。
書籍の修理と保存・実技
 「おさるのジョージ」が主人公のこのシリーズは、今も岩波書店の新刊で買える絵本ですが、今の絵本では、ジョージがページの右から左へ走っていくように、絵を一部反転させています。物語の進行とジョージの進む向き、ページをめくる方向が原書の英語だと一致しているそうで。だからといって、日本語を横書きになぞせず、縦書きのまま、原画のほうを反転させるとは、やるな岩波書店。また印刷の色味も最近の本はなんか違う(単に色あせた本に徐々に慣れていったからかもしれません。)というわけで、子供用には新しい本があるのですが、この版に慣れ親しんだ私には、親しみのある記念品的な本です。またこの頃の本は紙や印刷、綴じなどのつくりもよいみたいです。
書籍の修理と保存・実技
 そしてこっちはいわずとしれた絶版本。一斉自主絶版のあと、2005年から復刻版が瑞雲舎から出ていますが。私たち子供は6歳の幅に入っていたので、上の子が本を読み、下の子は本に鉛筆やクレヨンで落書きをぐるぐるしちゃっていました。それも、絵柄の上のは消せないけど、まあ記念だからそのままでいいか、という方針でこの場合はいきます。
書籍の修理と保存・実技
 この5冊を修理します。まずは、表表紙・ページの中のテープ箇所など・裏表紙を、写真に撮り、プリントアウトして、いつでも作業中に参照できるようにしておきます。
書籍の修理と保存・実技
 そしておもむろにテープをはがしてゆきます。本のいたみぶりは「戦前の本かと思った」(by先生)ですが、約40年前の180円の本です。私たちに読み倒されてこうなりました。うち、絵本はわりとありましたが、ここまでなったのはこの5冊だけだな。テープは劣化しているのでそのままでもはがれますが、紙をつれていってしまうこともままあります。
書籍の修理と保存・実技
 スパチュラを、アイロンなどで少し温め、そのスパチュラを差し込めば、紙をいためることなく、絵柄の部分も、テープだけするするはがれてくれます!
書籍の修理と保存・実技
 「ジャン・ド・ゴネのような」(by先生)この表紙も。
書籍の修理と保存・実技
 温めたスパチュラでこのとおり。
書籍の修理と保存・実技
 ビニールテープの下から、背タイトルの一部も発掘できました。(続く…2週間後に)
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